透け感が美しい「実りのきざはし」と旅ができる「イスパハン」(虎屋)
こんにちは、Junkoです!
伝統と革新を続ける和菓子の虎屋さん。今日は「革新」側の2つの商品をご紹介します!
2021年の挑戦「実りのきざはし」
毎年、宮家の歌会始(うたかいはじめ)でのお題にちなんだ羊羹を発表されていると聞いていますが、2021年のテーマは「実」とのことで、「実りのきざはし」という商品名の羊羹を見つけました。
私はつい、色に惹かれて買ってしまいました。
「きざはし」と打ち込むと、「階」という字がきます。そう、階段や、段階。
英語での説明も、こんな感じでした。
英語では “Staircase to Fruition” Staircase は階、Fruition は実りで、少し文語的にかっこよく表現しています。歌会始は Imperial New Year’s Poetry Reading というんですね。勉強になります。
切ったところを見ると、下の層、中間の層、上の層、そして空間の4つのエリアに分けられます。私が一番感動したのは、この空間の透け感!
ま、琥珀羹なので透き通っているのは当たり前なんですけれども、色々の羊羹と組み合わせることによって、この透けが生きてくるんですね。やられました!
上の写真は右下がりになっているので、正しいポジションの右上がり版はこんな感じです。きゃー透けてる!
赤、オレンジ、黄色の羊羹は色素を入れて作られていますね。そして、琥珀羹が寒天。寒天部分が「見通しがよい」という縁起ものにも例えられるような気がします。そして羊羹と寒天は食感がちがうので、交互に食べたりする楽しさがあります。
小分け用にカットして、お正月の期間、美味しくいただきました。
香りがヨーロッパ!ピエール・エルメとのコラボ羊羹「イスパハン」
次は、2020年の秋に出ていた季節限定羊羹、「イスパハン」です。女性に人気のピンクの色づかい。後で分かりますが、ピンクは単にマーケティング的な色ではなく、ベリー系の味に関係しています。
最高にかわいいですね!
お店で、「箱に封をしたものをお渡ししてよいですか?」と聞かれました。実は箱を物入ケースとして利用する人がいて、封のシールを剥がすときに色がベリッと取れてしまうことがあるため、シールを貼らないで下さいという方もいるのだそうです。
さて、1本をパウチから出すと、ほんのり赤みがかった羊羹が出てきました。
そして、ほわーんと甘い香り。和菓子には絶対ない、ヨーロッパの香りなのです。
ここで、フランスやドイツを旅した時の、突き抜ける青い空や、乾いた空気、そしてベリーやバニラ系の甘い香りがさーっと蘇ってきました。
よく、キャンドルでもシナモンバニラとか、ブラックベリー&ラズベリーとかありますよね。The Body Shopなどに立ち寄っても、そういう香りがする、あれです。(Lushの匂いは強烈、そしてロキシタンはナチュラル派ですが…。)
説明では、バラ、ライチ、フランボワーズ(ラズベリー)を使っていることと、味や香りがどんな順番で届くのかが、記されていました。さすがです!
食べたときに本当にビックリして、和なのに洋、洋なのに和というマジックを見せられた感じがして。
いつも同じ安定の味にファンが多い虎屋さんですが、こういう挑戦も素晴らしいと感じています。適当な挑戦では、ファンをがっかりさせることを、よく承知されているのだと思います。
虎屋の革新魂が、大好きだ!