コロナコロナって日本以外でも言う? 世界の声をまとめてみた

コロナが憎い」という言葉がありました。これは、このウイルスさえなければ、ということで新型コロナウイルスそのものが憎いという意味だと思いますが、「コロナにかかった」と言えば新型コロナウイルス感染症に罹患したことを指しますし、「アフターコロナ」と言えば、パンデミック(感染症の世界的な大流行)が収束したら、という意味になります。コロナはいかようにも取れる曖昧ワードとなっています。

「コロナ」(corona)は英語で冠という意味があるので、「冠が憎い」とか「冠にかかった」とか言えないわけで、COVID-19というのが感染症でよく見る表記です。COがコロナ、VIがウイルス(virus)、Dが病気(disease)、19は2019年のことです。

日本語だとどうしても、Cというアルファベットが馴染まない(発音はKと同じ)、Vも使わないし、Dも子音で終わっているので、どうもカタカナ発音が難しいんです。コビッド、コビット、どちらも意味が分からない。よって、COVIDとして使われるのはハードルが高かったですね。

日本語は外来語として三文字で覚えやすい「コロナ」で取り入れましたが、他の言語ではどうなっているのでしょうか。世界の友人に緊急アンケートに協力してもらい、エッジの効いたものをいくつか紹介します。(個人の見解であり、国を代表する意見ではありません… って、当たり前か!)

言葉遊びのセンス抜群、ロシア

きっとどこかの言語ではあるのではないかと思っていましたが、ありました!ロシア語です。

大体コロナかCOVIDだけど、ジャムの「ポヴィドロ(povidlo)」に似せて「コヴィドロ(Covidlo)」って言ってみたり、「ハンセン病の病院(leprozoriy)」に似せて 「Covidariy」って言ったりする。

日本だと「アベノマスク」というネーミングの後、リメイクするマスクが「ベツノマスク」として登場しましたが、こんな感じで使っていたのでしょうね。

言葉の王様的存在感、ギリシャ語

ラテン語と何か関係があるかな、と想像はしていましたが、ギリシャ語は奥が深そうでした。

ギリシャ語では、コロナウイルスの直訳は コロノイオス(koronoios、ギリシャ文字では κορωνοϊός または κορονοϊός) もしくは医学だとコロナイオス (koronaios、ギリシャ文字では κορωναϊός または κοροναϊός)。末尾についてる「ios」(ιός)がウイルスって意味だからね。
ギリシャ語でもコロナ(korona)は冠って意味で、もともとラテン語のコロナ(corona)から来てる。でももっと前に古代ギリシャ語でコロニ(koroni、ギリシャ文字ではκορώνη) って言葉があって、それにも冠って意味はあった。

すげーな、やっぱり言葉の王様だけに冠が似合います!

言葉に政治が持ちこまれるアメリカ

短い言い方だとメディアではC-19、口語だとローナ(Rona)ということもあるよ。

英語でのCoronaの発音は、「ロ」を強調するコーナですから、ローナという短縮形もできるかなと思います。日本語だと「コ」が強調されて「ロナ」ですから、ロナにはならないですね。

民主党支持者だとCOVID-19、共和党支持者だとコロナ、ローナという言い方をする傾向がある、という議論も出ている。トランプ支持者はマスクをしないという行動に出たりね。

Photo by cottonbro from Pexels

一国のトップが「チャイニーズ・ウイルス」と言った時には耳を疑いましたが、たしかに個人の信念が言葉選びに出ることはあります。

番外編:笑いの絶えないフィリピン

フィリピンってタガログ語&英語圏なので、一般的にはCOVID19かコロナで、ウイルスだけのこともあるそうです。

あまりユニークな回答は期待していなかったのですが、こちら出ました!

大統領がこの前記者会見で「ヴィーラス(VEERUS)」って発音しちゃったから、「ヴィーラス」って言うこともあるよ。

本来ヴァイルス(virus)ですけど、本田圭佑選手の「きよきよしい」と同じ感覚ですね。

その他、一気見せ!

ニュージーランドではCovidって言って、封じ込めに成功したから、「プレCovid→ロックダウン→ポストCovid」と呼んでた。なのに新たに感染者が確認されて、今は何て呼べばいいの??

可愛いすぎます…。日本語ではビフォーとアフターが使われますが、英語だとプレとポストが自然ですね。

エジプトだと大体コロナで通じるけど、エリートの人だけCOVID-19って言ってる。
アラビア語だと、発音はコロナ、カロナ(cArona)、クロナ(crona)などいろいろ。

これもめっちゃ分かる…。エジプトのエリートってほんと一握り。

シンガポールはカッチリ感もあれば、中華系の色も見えました。

病名は公式にCOVID-19を使ってるよ。ウイルスはCoronavirusだし。
中国語だと、新型冠狀病毒とか冠病疫情とか。

漢字って分かりやすいですね。中国語は音で当てはめることもあるけれど、今回はコロナを冠、冠状と表現しています。

その他、バングラデシュ、ノルウェー、カナダ、ベルギー、デンマーク、フィジー、オーストリア、タイから情報を寄せてもらったのですが、概ねCOVIDかコロナです。思ったよりコロナは多いです。というわけで、コロナコロナって日本以外でも言う?という問いには、YESという結論を出しました。

日本でも世界でもまだまだウイルスの猛威が続きますが、人類の結束をもってウイルス流行の終息を迎えましょう!

もともと、コロナと言えばこっちでしょ! メキシコのコロナビール、王冠がバッチリ。

https://1000marcas.net/corona-extra-logo/

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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