新しいアイデアはないから、どうする?
多くの人は、自身がユニークでありたい、オリジナルな意見を発信したいのではないかと思います。しかし、そんなことはあり得ない、と昔から言われているのも事実です。
あのマーク・トウェイン
あのマーク・トウェイン先生もそんなふうに言っておられました。この格言、日本語で見つけられなかったので、つたない訳ですが以下の通りです。
新しいアイデアなんてものはない。 それはあり得ない。 私たちは単に、古いアイデアをたくさん集めて、こころの万華鏡のようなものに入れる。 そして万華鏡を回すと、新しく興味をそそるような組み合わせが見える。 私たちは無限に、新しい組み合わせを作り続けている。しかし、そういう組み合わせでも、長い間使われ続けてきた、古くて色のついた同じガラスの破片なのだ。
https://www.goodreads.com/quotes/843880-there-is-no-such-thing-as-a-new-idea-it
There is no such thing as a new idea. It is impossible. We simply take a lot of old ideas and put them into a sort of mental kaleidoscope. We give them a turn and they make new and curious combinations. We keep on turning and making new combinations indefinitely; but they are the same old pieces of colored glass that have been in use through all the ages.
原文でメンタル・カレイドスコープを「こころの万華鏡」と訳してみましたが、万華鏡に例えたところが文豪らしい言葉のチョイス、素敵です。
あのデヴィッド・ボウイ
先日、ちょうどデヴィッド・ボウイのドキュメンタリーを見ていたら、彼も同じことを発言したのでした(『デヴィッド・ボウイ-最後の5年間(字幕版)』)。映像から見るに、随分若い時の発言だったようです。
僕は独創するより、合成する方が得意だ。
『デヴィッド・ボウイ-最後の5年間』
社会や文化の中にあるものを加工して、僕たちが生きてる時代を反映するものを作り出すんだ。
I’m not an original thinker. What I’m best at doing is synthesizing those things in society or culture, refracting those things, and
producing some kind of a glob of how it is that we live at this particular time.
あのデヴィッド・ボウイさんに言われたら、ぐうの音も出ないのですが、彼も「シンセサイズ」(合成)という言葉を使っていて、これは音楽のシンセ(シンセサイザー)を連想するものであり、ミュージシャンらしいなという感じがします。
もう一つここで注目すべきは、「僕たちが生きてる時代を反映するものを作り出す」の部分です。
切り取り方は、その時代を反映するという意味で、やはりオリジナルなのではないかと思います。その人が切り取ったことに価値がある場合もあるでしょう。
ブログを書く立場にある人は、毎日「献立づくり」に頭を悩ませているかもしれません。材料は無数にあって、何を選択して組み合わせるか。でも、このことをこの瞬間に書くことに何らかの意味がある、そしてそれを消費してくれる(お料理を食べてくれる)人がいる、そう思えるから綴っています。