日本の農業は2.0になれるか(まだ無理かも)
農家(ファミリー)からやっと農業従事者(個人)へ。テックにはほど遠い(かも)。というのが今回の結論です。
農業2.0(Agriculture 2.0)というのは、2017年くらいから言われ始めた言葉で、IoTを使った農業のことを指します。
そして日本では「農家」という言葉が象徴するように、農業はファミリービジネスの代表格です。家族経営で、創業者で名誉会長が祖父、社長が本人、次期社長は息子、というパターンが多そうです。
先日参加した山口県の就農移住セミナーでは、きちんと週2日の休みがもらえる法人が、紹介されていました。他産業では当たり前ですが、農業はイキモノ相手ですから、土日や悪天候でも関係ありません。週休二日制をキープしていることが、スゴイという感覚です。
それはとても有難いことですが、女性が育児をしながらパートとして働ける、というアピールポイントは、伝統的な家族の再生産を促しているようにも聞こえました。出産してもフルタイムでバリバリ働きたい女性もいるのでは、という意味で。
そして、就職先としての農業についても、もう少し他産業との隔たりがあります。まだリクナビやマイナビStudentのように、検索をかけて多くの法人から自分に合ったスタイルを選ぶことはないと思います。自治体レベルでは情報ポータルを設けているようですが、実態はご縁があったところ、紹介してくれたところ、何となく…という感じではないでしょうか。
以前『たけしのニッポンのミカタ!』で見たブルーベリー農園のお父さんは、テクノロジーと柔軟な発想で、最小の労力から最高の利益を得ることに長けておられました。今地方で推しているのは、そっち系ではなく、もう少し大型のファミリー経営という感じです。
日経を読んでいると、どうもAIを使った搾乳やドローンを使ったミツバチの観察、そんなことばかり想像してしまいます。大地と向き合う仕事は100%リスペクトで私の憧れなのですが、まだまだ現場は農業1.0な感じがしました。