中途ハンパな地方都市は「非密」に振り切ろう
今、在宅勤務やリモートワークの流れを受け、人口の集中する東京に住むのはむしろリスクだと言われるようになりました。
これは、少なくとも「大都市に出てくることがサクセスストーリー」だった30代以上の労働人口にとって、大きな変化です。35年住宅ローンを払い続けている最中なのに、勤務地も住居も、東京でなくてもよくない?という提案なのですから。
もちろん、軽井沢や伊豆のようなところに住めたら嬉しいです。小鳥の声や海岸線から見える朝日で目が覚める。家庭菜園からの野菜を食す。コーヒー豆を挽いて入れた一杯を楽しんでから始業し、キッチンで温かい昼食を取る。終業後すぐに散歩したり、温泉に入ったりできる。
これまでは、そうだな、作家さんとかフリーのエンジニアさんとか、限られた人のみに許されたライフスタイルだったと思われます。
雑誌「自遊人」がそうしたように、新潟の middle of nowhere (人里離れたところ)に移住するくらい振り切れないと、意味がない気がします。
で、何が言いたいかと言うと、リモートワークができても、私は静岡という中規模都市に戻りたいかと聞かれれば、そうでもないのです。
私が都会にいる意味は、文化的に満たされるということで、映画があり、美術館があり、演劇にアクセスできることの喜びがあります。オシャレなカフェやレストランも、系統としては同じです。もちろん、毎日・毎週行くということではなく、行きたいと思ったときに行ける自由度を、いわば家賃等に上乗せして買っているのだと思います。
一方で、自然と戯れたい時には、山に行き川に行き、温泉で癒されます。素材の美味しさを噛みしめます。
中規模都市では、文化的欲求も、自然への欲求も、満たされないというのが正直な感想です。
若いうちは、というか働けるうちは田舎の一軒家でもよく、引退して通院するような年齢になったら都会のマンション住まいの方がよい、ということも聞きますね。
さて、どうするかワタシ??
ワタシのことはともかく、中規模都市は、そこに住まう魅力を考えていく時だと考えます。もしくは、同じ都市内でも中心地から山間部、沿岸部へ移住する流れを作り、隣の家から遠い居住空間を作っていく。いずれ人口減少するならば、そういうことを始めてもいいでしょう。
これまでは、田舎暮らしするとスーパーがイケてなくて、着色料たっぷりの漬物や、砂糖と保存料だらけの焼き菓子などが、売られていました。これからは、すべてECコマースに切り替わるでしょう。こだわりの醤油から、外国産のフェアトレード・チョコレートまで。