ヒットする映画の法則

これは映画に限った話ではなく、小説や演劇などでもそうだと思うのですが、私の立場からは映画について書きたいと思います。

新鋭の映画監督さんは、世の中にないすごい映画を作ってみせたいと奮起し、ストーリーを練りに練ったりすることがあります。上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』(ブログはこちら)は物語の攻勢が秀逸でした。中堅監督でも、ロウ・イエ監督『シャドウプレイ』(2020年2月公開予定)などは、とにかく伏線が多く、感情もローラーコースター状態、ストーリーについていけないほどです。

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ドキュメンタリーでも、私的な対象を撮り、やや奇抜な非日常を見せることがあります。1970年代には原一男監督が身内の出産シーンを撮ったり、2000年代の松江哲明監督など、私的ドキュメンタリーと言われる流れができたこともあります。

そうかと思えば、ハリウッドはネタ切れか思わざるを得ない、リメイクばかりが続くこともあります。今で言えば『最強のふたり』がフランスからアメリカの作品として公開されたり。ホラー映画『リング』が海を渡ったこともありました。

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しかし、そんなに目新しいものが受けるかというと、そうでもない気がします。

例えば2019年のヒット作『天気の子』。画がきれいで素晴らしい作品でした。

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これは、「その日の天気を変えたい」という思いが根っこにあります。変えたいけど変えられない、だからストーリーになるし、共感を生んでいます。

より一般的なことで言えば、タイムスリップしてみたいとか、不死身でいたい、肉親やパートナーとの別れは悲しい、出会いのドキドキ、いろいろあります。もちろん文化的なちがいはあるにしても、より普遍的なテーマでいいんだ、と思えますよね。

1996年の『ロミオ+ジュリエット』はとてもおススメです。若かりしディカプリオが出ているのですが、あの古典を上手に現代に翻訳しているところが素晴らしい。

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実は、出会いのシーンがちょっと赤面ですが、恋に落ちる人なら共感するかも。

あ、私は少年少女が出ている作品と、ロードムービーが好きなのですが、これも「青春の甘酸っぱさ」や「旅に出るといろいろなことが起こり、人は成長する」プロセスが好きだからです。作品をたくさん見ることで、こうやって自分の好みも分かってきますね。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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