芸人先生2 #10 トレンディエンジェルの「刺さるように射る」ブランディング戦略

見た目を生かしたキャッチーな漫才で知られる、トレンディエンジェル。M-1グランプリのチャンピオンに輝いたことでも有名になりました。訪問先は、前回のかまいたちに続いてニトリさん、589店舗もある大手家具チェーンです。トレンディエンジェルのイメージ戦略講座」(2019年6月10日放送分)をお届けします。

冒頭から、斎藤さんかみかみです。「皆さんのお役に立てれば幸い。そうでなければ聞かなかったことに」と一発笑いを取り、場を和ませます。

「安い」イメージを払しょくしたい

社員からのお悩みを伺います。「安いというイメージが強すぎる。おしゃれでかっこいい商品もたくさんあるのに、他社のインテリアがほしいと言う」「ダサそうと言われる」

プライベートでも同じ悩みが飛び出します。「合コンとか社名を名乗るときに、社名を伏せインテリア系の会社と濁してしまう。おしゃれっぽいイメージがほしい」

悩ましいですよね、社名をベラベラ言うのもどうかと思いますし。

同じ受講生として同席していた社長からも、一言。「社員はやりたいことがまだたくさんあるのに、出来ていないのではと考えている」斎藤さん、すかさず「それも吸い上げて社長にお伝えしたい」とポイントを取りに行きます。

そして社長は次の予定のため退室。斎藤さんは社員に向かって、コロッと態度を変え「さあお前ら!」この斎藤さんのテンポの良さが笑いを生みますね。

さて、ここからがイメージ戦略の話です。ニトリさんのイメージは、トレンディエンジェルとも似ているようなのです。「われわれ2015年M-1グランプリを獲ったが、ハゲネタだけと思われた」「ハゲイコール安い、(つまり)皆さんはハゲ」と社員をいじります。速すぎて笑いが後から起きる感じです。

武器をうまく使え!

ここからは斎藤さん、ネクストステージへの変化を遂げよう、第二章を展開していこう、と話します。斎藤さんの場合、ハゲの次は、歌が得意なので歌で攻めました。会場で徳永英明さんの「レイニーブルー」を歌ってみせます。これも似ているかどうか分からないのですが、今ではミュージカルの「レ・ミゼラブル」にも出ているのだそうです。歌声を生かせる場所に移動していったことから、何でもやってみることが大切、そうすれば刺さるところに刺さる、というわけです。

さて、皆さんにはどんな武器がありますか?と会場に問います。「お値段以上、ニトリ」のキャッチフレーズがあまりに有名なので、に会社の特徴をのっけて2番を作るのはどうでしょう、と提案します。「たかしのでこ、広い」とか。やっぱり速いですね。会場からは、店舗数を生かして「あの角曲がれば、ニトリ」というのも出ました。

専門家からも、「マネできない武器を探せ」と後押しがあります。ある熊本の焼酎は世界一と言われていて、水質調査でよい水を使う、よい米を使う、オリジナルの製法を100年継続、この3つで勝負しています。3つのかけ合わせでは、すぐに追いつけるものではありません。

おしゃれな斎藤さんは、激しく発信した結果

斎藤さんは会場に問います。「斎藤さんがおしゃれなイメージってある?」ちらほらと、何人かの手が上がります。

「新たな魅力は激しく発信しまくる」と決め、テレビに出たら買い物ばかりしてみたり、服を買っているというイメージをつけることにした。このやり方で、今では斎藤さんはおしゃれなんじゃないか、と世の中の半分くらいの人に思われているようです。

インスタに私服を載せ続けていたら、女性ファッション誌のRayで専属モデルになってしまったとのこと。こんなのバズるわけないという先入観を抜きにして、激しくPRするのだそうです。

ここで斎藤さんから提案です。ニトリさんのロゴをオシャレにしてはどうか。現在のロゴは「イモくさい」「ファミリーっぽい」というイメージのようですが、普段使いできるTシャツにロゴを使ってみるチャレンジをします。ボックスロゴにしてみたり、N, T, Rを大きくプリントするデザインにしたり。似鳥会長の顔をイラストで入れてみてもいい、こんなの流行るわけないと思っても、Tシャツのニューヨークな感じと似鳥会長の和風顔で和洋折衷感が急に刺さったりするのだそうです。

別の事例で、某コーヒーショップ(スタバですね)の飲み物はつい買ってしまう、これはこちらのコーヒーを片手に持っているイメージが欲しいから、と紐解きます。考えれてみればあくまで紙コップに入ったコーヒーなのですが、なぜかオシャレになっている印象があります。ニトリさんもカフェスペースを設け、食器や家具を使ってお客様を広告塔になってもらってはどうでしょう、という提案です。ニトリさん、現在は赤羽店のみ小さなカフェコーナーがあるそうですが、たしかにライバル店のスウェーデンIさんは、大きなレストランカフェがありますね。

専門家も、スターバックスの研修には注目しています。会社の哲学を教えるところなので、平均的な研修の4倍時間をかけていること、マニュアルがないため自然に振る舞えるようになり、これによりスタッフそのものを魅力的にしていく手法とのことです。武器を物から人にずらして成功した、イメージ戦略です。

実践ではたかしをPR!

自分の武器を見つけ、激しく発信しよう。講義の後半は、とある商品を…相方のたかしです。33歳独身(意外と若い)、アイドル喫茶と麻雀好き。

  • 「たかSiri」の開発。アイドルの情報などスマートに答えてくれる。
  • 麻雀のパイにして、上の年齢層にアピール。イーピン(丸いマークのようなデザイン)ですね、とさらにアイデアを膨らませます。

一定の評価をいただいても、「できることもっとあるな」と考え、どんどん発信をしよう!そんな教訓の回でした。無意識に自分を制限しない、自分の良さを観察しながらも突き抜けていいんだよ、ということも、当たり前ながら実証してくれた感じがします。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です