芸人先生#3 阿佐ヶ谷姉妹のおばさん接客術

準備された講義メモには文字がびっしり。「自然体で行こう!」と自らに声かけるお二人。

今回は、実の姉妹ではない(と知りました)阿佐ヶ谷姉妹のお二人が、池袋の東武百貨店社員さんに対して行った 「阿佐ヶ谷姉妹のチョイおせっかいで接客上手講座 」 (2019年4月15日)放映分です。採録ほど正確ではありませんこと、ご容赦ください。

阿佐ヶ谷姉妹さんは一度見たら忘れないビジュアルですが、2018年の『女芸人No.1決定戦 THE W』でも王者に輝いておられます。

立ち位置が左の美穂さん(小柄な方)は、バラのマークの百貨店の寝具売り場にいたことがあるそうです。そういえば、デパートって布団やベッドまで売っていましたね。

https://twitter.com/tobudept_net/status/1117740072378363904

「ちょうどイイ接客術」

社員さんの前に登場し、しょっぱな「顔が固い!」「教頭顔!」とお互いをいじる辺り、さすがです。

今回もテーマはコミュニケーション。不安がるお客様や謙遜されるお客様に「そんなことないですよ」しか言えない売り場の社員、歳の離れた方とどう会話をしたらよいか分からない。もしくは、人との距離が近く、どんどん来る圧の強いお客様へどう対応したらよいか迷う、そんなご相談です。

Photo by Luis Quintero from Pexels

阿佐ヶ谷姉妹、ここで無理しないところが素敵です。自分たちがおばさんなので、おばさんはこう考える、おばさんだからこう伝える、という部分を軸にしました。

社員さんに、「おばさん」のイメージを聞きます。

  • 落ち着いている
  • 自分のことを喋ってくれる
  • 疲れやすい=喫茶店情報に詳しい
  • 厚かましい
  • 図々しい

などなど。この中でいい部分を取り出して、ツールとして使おうというのが提案です。 たしかにおばさんと言えば、和気あいあいとした、垣根のない感じですし、どこにでもいるおばさんの立ち居振る舞いが役に立つ! そう教えてくれる講座です。

まずは、ちょいお節介

おばさんにありがちな、求めていないものを押し付けるのはNGです。しかし引きっぱなしではモノは売れません。そこで、「ゆる敬語」を使えるようアドバイスです。ため口はダメですよ、「かしこまりました」の代わりに「わかりました」を使う感じです。

無理して頑張りすぎていると、不自然な接客になってしまう。あくまで自然体で相手に発信すると、相手も受け入れてくれるだろう。そういう距離の縮め方もありますね。

私自身も以前ブログに書いたのですが、タレントさんの敬語をはじめとした、~いただく、~ございます、に溢れた言葉は、往々にして不自然で、伝わらないように思います。

自分で無理をしない、過剰にならない、自然体でいる、それがモノを売る時に役立つ立ち位置のようです。これ、仕事に限らずライフスキルですね。

次に、ちょい旅気分

自然体でいることは、実は難しかったりします。そんな時、「人生の思い出作りの一環」として、「仕事を修学旅行のように楽しむ」気持ちで臨むと、よいそうです。

Photo by Artem Bali from Pexels

自然体になるための秘策として紹介されたのが、ルーティーン。五郎丸の忍者ポーズで有名です。人は集中すると自然体になれるので、どんなポーズやしぐさでも構いません。お気に入りのペンを持つ、のように簡単にできるものもよいそうです。

私もルーティーンにしているしぐさがありますが、さすがにこれはナイショです。

実践講義では、販売員の方が阿佐ヶ谷姉妹の江里子さん(背の高い方)を相手に、接客にチャレンジしました。安心感があり信頼を生む、立派な会話術だったと思います。つばのある帽子を探しに来た江里子さんに、売り場に3タイプの帽子がありましたが、つばなしの1つは勧めずに「AかBか」で選択をさせます。二者択一法と言って、迷いが生まれにくいそうです。その後、プロとしてのアドバイスを伝え「こちらがよい」と断定することで、相手も信頼感を持って受け止めてくれるとのこと。

講座の間、姉妹のお二人はカンペなのか、ずいぶん下を見ながらお話していた印象です。緊張されていたんですね~。それも自然体ということで、背伸びしないで臨まれた結果なのかと思います。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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