連ドラ「まんぷく」即席ラーメンとテレビの関係

連ドラ「まんぷく」即席ラーメンとテレビの関係

2019年3月30日、半年にわたるNHK朝ドラ『まんぷく』が最終回を迎えました。

朝ドラを見るようになった自分も年齢を感じましたが、実は朝ドラを意識して観たのは『半分、青い。』がほぼ初で、その延長で半年経った感じです。

ヒロインの安藤サクラさん、夫役の長谷川博己さんに加え、主役を張れる名脇役の揃ったドラマでした。今日本では脇役を「バイプレーヤー」と言うのが新しいみたいですが、和製英語のようです。私はアカデミー賞でも使う「supporting actor/actress」(助演)という言い方にしています。

さて、『まんぷく』は即席ラーメンの話ですが、物語の中でもテレビCMを使ったり、テレビ中継の効果を狙ったりと、いかにテレビを利用してラーメンを売ったかということは容易に語れます。

もう一つ私が注目したのは、テレビという媒体を使った撮影方法です。

即席ラーメンを開発している時に、カメラの対面に並んで作業するシーンが多く見られました。

https://www.instagram.com/p/BtkyLrYHnL6/
(c) NHK(画面キャプチャ)

作業台は長方形(今で言うアイランド型)なので、向かい合っての作業ができるのですが、片側だけに人が立っている… 一つは親近感を表していると言えますし、もう一つはテレビ的表現と言ってよいと思います。

https://www.instagram.com/p/BtUsNJeHen8/
(c) NHK (画面キャプチャ)

いわゆる、料理番組の撮り方です。

https://www.instagram.com/p/BtkyLrYHnL6/
(c) NHK (画面キャプチャ)

これは、森田芳光監督の『家族ゲーム』(1983)でもよく言われました。あの松田優作さん主演のシニカルな作品です。

この作品に、家族が横並びで食事をする名シーンがあります。一般的には、家族間の会話が減った、コミュニケーションの変化を、横並びというビジュアルで表現したと解釈されます。

映画の研究ではもう一歩踏み込んで、これが映画的表現ではなく、テレビ的表現だと捉えます。つまり、映画がテレビに成り下がってしまったのか、映画が映画である特異性はどこにあるか?というものです。

森田芳光監督『家族ゲーム』予告編 画面キャプチャ

バラエティ番組などでも、「カメラにおしりを向けない」というのはどんな演者さんも鉄則として叩き込まれています。正確には、カメラではなくお客さん、おしりではなく背中かもしれませんが。

一度、その目線でバラエティを見てみると、意外と演者さんの動きが滑稽にみえたりします。

『まんぷく』はテレビドラマで、テレビとともにあった時代の話。撮影もテレビを意識されて収めたカットだったかもしれませんね。スーパーではインスタントラーメンのコーナーが充実し、業界にとっても貴重な6か月だったことでしょう。