海を越えた、温かい恩師のメール

こんにちは、映画ライターのJunkoです!

今日は日記みたいになってしまうのですが、私のヒストリーにも関する投稿です。

私は1990年代、アメリカの大学で2年間、映画研究を勉強していました。

Photo by Kaique Rocha from Pexels

20代で、無謀な挑戦だったかもしれませんが、色々な方に助けていただきながら、学業は何とか無事終えることができました。大学は、とにかく読む、そして書くところです。映画を勉強していましたから、映画を見る、読む、書くの連続。筋トレのような感じで、体に刷り込んでいきました。

そこから20数年。お世話になった先生の一人が、退官されるというニュースを聞き(アメリカの大学は5月頃終わります)、急いでメールを書きました。当時からとても著名な先生で、著書も多くあり、その先生の下で勉強したい学生はたくさんいて、という感じでした。

退官のお祝いは何て書くんだろう、Congratulations on your retirement でいいのかなぁ、ネットで調べてもそれでよさそうなので、ご退官おめでとうございます、何年に勉強したJunkoです、今は何々をしています、今日本映画はアニメが強いですね、…とそんなことをとめどなく綴りました。

先生は早速お返事を下さり、私のことも覚えて下さっていたこと、これからも出版したり、少し授業を持ったりすること、2019年には講演などで来日していたこと、など教えてくださいました。私が映画研究の道に進むことはなかったけれども、細く長く映画に関わっていることは喜んでくださいました。

先生はクロージングに、”The cinema opens us up. Stay open.” という言葉を送ってくださいました。「映画は私たち(の目や心)を開いてくれるもの。オープンでい続けるようにね」

映画は娯楽としても、研究対象としても存在していますが、映画を通じて私たちは人の暮らしぶりや考え方、作家の表現者としてのあり方、を知ったりします。そう、映画は海を、国境を、軽々と越える。

そしてさまざまな活動が制限されている今、映画は私たちをオープンにしてくれる、という言葉。解放とも訳せ、このご時世、沁みます。吉永小百合さんが、舞台あいさつで映画営業が再開できていないことを、「悲しかった。くじけそうになった」と話したこと(出典)も、心の底から共感します。人の心をこんなにも豊かにしてくれるものが、絶たれることは、とても辛い。できるだけ新作や話題の作品は、劇場で見てお金を落としたい、そんなふうにも思っていました。

映画のみならず、自分が開いた状態でい続けること、学び続けることの大切さも、このメッセージに入っていると思います。

Photo by Lisa from Pexels

先生にお祝いを伝えたかったのに、逆に私が勇気づけられてしまった。本当に感謝です。そして、映画は娯楽だけではない、研究対象だけではない、生き方そのものなんだ、そんなふうにも思えました。師の存在は尊いものです。先生にはぜひ日本かアメリカで再会できる日を、期待して。

映画が大好きだ! 映画を愛し、映画を作り、映画を研究するコミュニティが、大好きだ!

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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