上演できたのも念!「未練の幽霊と怪物」

こんにちは、Junkoです!

一年越しで、「未練の幽霊と怪物」を見ることができました。

6月6日、ほぼ満席の会場。女性が多いですね、当日券も若干枚あったようです。(1時間かけて神奈川まで来たので、やはりチケットは確保して向かいたいところ…。)

芸術と政治

実は、本作品は前知識ゼロで向かったもの。6人の役者さんの写真を見て、普通に群像劇だと思っていました。実際には2つの演目で、それぞれ旅人と、幽霊もしくは怪物が出てきます。

挫波」(ザハ)と「敦賀」(つるが)。そう、建築家ザハ・ハディドさんと、福井県敦賀市の原子炉、2016年に廃炉が決まった「もんじゅ」です。私たちの記憶から消されたような単語。

東京オリンピックは、開催が決まってから色々なすったもんだ、責任のなすりつけがありました。2020年に開催できなかったこと自体も皮肉でしたが、それより前にもゴタゴタしていたことを思い出した次第です。ハディドさんの国立競技場デザインは2012年に選ばれましたが、イラクで生まれイギリスで活躍した女性建築家ハディドさんは、今のダイバーシティの象徴とも言えたでしょう。建設費がかさむとのことで白紙撤回の後、2016年に亡くなりました。

原子炉の件は、もう少し専門的かもしれませんが、1960年代から構想があり、1995年に発電開始しますが、説明では研究用原子炉とのこと。原発どうするの、見たくない、避けている問題です。

芸術と政治は切り離せるものではありません。しかし、芸術を政治から切り離す風潮が世には溢れています。目を背けているものを見せる、演出の岡田利規さんに、感服。

男性幽霊、女性怪物のリアル

ツイッターを見ていると、森山未來さんのダンスは期待通り、石橋静河さんのダンスは期待以上、というコメントが複数ありました。

私もまったくの同感です。

なんでしょうか、森山さんはザハという女性の幽霊となり、石橋さんは廃炉という男性的な遺物の怪物となるところが、リアルなんです。森山さんが表現する、ザハが目指した流線型スタジアムは美しいし、小柄で可愛らしい感じの石橋さんが、周りを吞み込んでしまうような有機的な生物に見えて怖い。ここも、配役の素晴らしさを感じました。

過去も現在も、生も死も、同じレイヤーに住んでいるんですね。

ありがとう、劇場

今回の舞台、いつ拍手をしていいか分からない感じもあったのですが、最後、俳優さんたち勢ぞろいでお出ましいただいた時こそ、未練と情熱の「」を感じました。どうしても上演するという一致団結の思いがあったから、劇場を動かした、観客を動かした。マジ涙が出そうでした。

劇場の皆さんも完全防備で、手袋にフェイスカバー、暑かったと思います。有難うございました。

ちなみに終演後、CDやパンフレットがよく売れていましたが、CDはジャケットの色を選べるみたいでした(画像右下)。ナイス!

脳が覚醒した、無意識にもふわふわ浸透したような、不思議な2時間でした。音楽劇であるとか、能のスタイルであるとかは、詳しい方の解説に頼りたいと思います。

演劇が好きだ! 「未練の幽霊と怪物」の洗練さと混乱ぶりが、大好きだ!

(7月23日追記)東京オリンピックの開会式で、森山未來さんが踊りました。リアルタイムで見ることはできませんでしたが、コロナウイルス感染により命を落とした方々への追悼、鎮魂と聞きました。ザハさんの魂も、癒しの波に参加して下さったことでしょう。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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