知花くららさんがよかった 世界を見た人が家庭に生かす視点

今日は知花くららさんの話をしますが、知花さんの翌年にミス・ユニバースの頂点に輝いた森理世さんは、静岡出身なのですー。Nice….

こんにちは、Junkoです!

日本経済新聞が『82年生まれ、キム・ジヨン』の映画化(10月9日公開)を前に、9月24日にトークショーを開催しました。正式名称は、「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクトスペシャルトーク 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』から考えるジェンダー平等」。ゲストは、同じ1982年生まれの知花くららさんと、早稲田大学大学院の入山章栄教授です。

原作はまだ読めていないのですが、『82年生まれ、キム・ジヨン』はアラフォー世代の男女が就職や結婚、育児で向き合う葛藤を描いているとのことです。韓国も日本もまだ男性優位社会、日本でも「失われた平成」などと言われていますが、昭和のやり方が平成でどこまで変わったのか、人の価値観はすぐには変わらないなかで、リアルに悩みもがく30代の姿に、共感が集まっていると聞きます。

世界を見ることの意味

ここからは、知花さんの発言で印象に残ったことを2つ書いていきます。1つは、2006年のミス・ユニバース・ジャパンとしての経験です。ミスコンは未婚女性に水着を着せたりなど、女性蔑視だと言う声もありますが、ミス・ユニバースとしての慈善活動などポジティブな面に光を当てて参加したそうです。実際ミス・ユニバースを見ると、知的で自立した女性のパワーに、多くの若い女性が憧れとするだろうことも想像できます。

また、コンテストでは各国のミスの小競り合いが多く、集合写真撮影でも自分が少しでも目立とうとする方たちがたくさんいた中で、日本が仲裁役ということも、よくあったとのこと。状況把握力や問題解決力、交渉力など、リーダーシップスキルを発揮できる場面だったのですね。

https://www.facebook.com/pageanthology101/videos/320949438590284

この映像を見ると、自信に溢れ輝いている女性と言いましょうか、同性からも憧れる存在ですし、自分が選ばれたときも笑顔で、いわゆる「口を手で覆い、私なんかが、と下がり眉フェース」という日本推奨のリアクションはありません。

知花さんはミス・ユニバース第2位(First Runner-Up)を勝ち取り、その後2013年からはWFP(国連世界食糧計画)オフィシャルサポーターとしても世界各地を訪れています。そこには「住む家も、食べるものもまったくちがう」リアリティがあること、世界に目を向けると自分の悩みなんて小さいと感じることを、コメントされていました。

自分を客観視できることは強さになる、そう思います。知花さんにとって、ミス・ユニバースはゴールではなく、通過点だったのです。「海外旅行は単なる趣味でしょ」「日本が好きだから海外に行く必要性を感じない」と言う声も聞きますが、他者やちがいへの関心は自分を豊かにしてくれるものだと、私は信じています。

家庭はちがいを受け入れる究極の場

さて、では外の世界と対極にある内の世界、「家庭」では何もかも分かり合えるのかと言うと、それも幻想なのだと思わされます。

ここからは私の体験談も混じりますが、自分の「常識」を崩してもらえるのが、共同生活体験だったりします。先日、東逗子シェアハウス#910(ここのつとぉ)を運営される河本ここのさんのお話を伺う機会があったのですが、河本さんの「世界の嫁姑問題は自分のやり方以外を認めないことであり、共同生活で様々なやり方に触れることは、解決できる糸口にもなる」発言は、その通り!と思いました。

Photo by Andrea Piacquadio from Pexels

私も外国人との寮生活や共同生活をしたことがあります。1997年の米国でのシェアハウス生活も、男女ミックスはまだ日本では聞かない時代でした。お米のとぎ方から飲み物の選択、休日の過ごし方や誕生日の祝い方、主張の仕方まで、ちがうことが当たり前です。新しいことだらけで楽しくもあり、ストレスになることもありますが、自分のキャパを確実に広げるものであり、共同生活体験は大切!と感じました。

さあ、話そう!

夫婦は共同生活からスタートするものと言えますね。トークショーで共通の話題は「一番分かってほしい人(夫/妻)に分かってもらえない感」のやり場のなさでした。すれ違う、自己憐憫、会話が減る…。コロナ離婚の話題も出ました。

で、どうやって分かってもらうかについて、知花さんは「話す」ことを提案します。知花さんと夫さんとの関係は、何でも話せ、かつお互いの夢を応援する、理想形に近いのかもしれません。知花さんには1歳児がいますが、夫の理解があり今大学生をしているとのことです。

Photo by Ketut Subiyanto from Pexels

日本はまだハイコンテクストな文化(大多数が同じ文脈を理解できるため、直接的表現が少ない)のため、相手に言わずとも理解を求めてしまう気持ちが強いのかもしれません。トークショーでも、入山章栄教授は映画について「男性の主人公もすごく頑張っている」と評価し、知花さんや中村編集長は「なんか違う」といった反応でした。

そのズレは何なのか? 個人を超えて社会の問題に行き着くかもしれませんし、社会の問題を個人が話し合うことで解決している夫婦もたくさんいることでしょう。『82年生まれ、キム・ジヨン』を観てみたいと思いますし、観た後は誰かとお話したい気分になっていそうです!

女性も男性も、自分以外のために輝いている人たちが好きだ!

日経ウーマンエンパワーメントプロジェクトスペシャルトーク
映画「82年生まれ、キム・ジヨン」から考えるジェンダー平等

動画はこちらからご覧になれます。

https://channel.nikkei.co.jp/e/82

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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