東北と自宅を杉の香りがつなぐ、オンライン木工DIY

8月8日、オンライン木工DIY「南三陸杉でオリジナルスプーン・フォーク作り」に参加しました。一般社団法人南三陸研修センター南三陸YES工房の共催です。

まず、南三陸がどこかって話ですが… 宮城県の太平洋側で、石巻と気仙沼の間くらいにあるんですね。行政区は「町」です。震災の影響が大きかったことも、地理的に明らかです。

https://goo.gl/maps/mqm4jkDc8QtShp9p7

オンラインの木工DIYは初だったので、今回の体験を振り返りながら、リアルなDIYワークショップとの違いをまとめました。

オンラインでもできること

まず、ワークショップには材料がないとできないですよね。材料は前日までにレターパックで送って下さいました。自宅で用意するのは、木くずが散らないための新聞紙など古紙だけ。

申し込みの際、「右利きか、左利きか」を聞かれ、性格占いの一種かと思ってしまいましたが、小刀に関係する質問でした。

小刀と言うと、鉛筆を削った遠い昔の思い出が…。私以外にも、何人かそういう方がいらっしゃいました。

講師が小刀の抜き方、使い方を教えてくださいますので、心配はいりません。逆に、けがをしてもすぐに助けてもらえませんので、自己管理が大切です。

ワークショップ講師の大森さんです

あとは、一度始まってしまうと、作業に夢中な自分がいますので、聞きたい時だけ聞けるというのはポイントです。講師の大森さんがうまくファシリテートして下さり、参加者の自己紹介や、進捗チェックなど、目配りをしてくれました。

途中でリアルタイムアンケートも。超参加型!

少し話はズレますが、「編み物」などたまに仲間とおしゃべりしながら進める作業は、オンラインが適しているようです。ずっと画面を見ているわけではなく、目先は編み物に落としつつ、ラジオ代わりに仲間の声が聞け、他愛ない会話ができる、ちょうどいいですね。

今回は初対面の参加者同士でしたので、会話をスタートするにはややハードルが高かったです。これまで工房では修学旅行生に対して体育館のような場所でワークショップを提供していたようなので、知った者同士で「わー」とか「きゃー」とか言いながらオンラインDIYができると、盛り上がるかもしれません。

オンラインだからよかったこと

月並みな回答ですが、南三陸に行かなければ会えなかった人たち、リアルの場くらいしか接点を持ちえなかった人たちと、袖振り合うご縁があったことです。

こちら、最後完成したスプーンを「ドヤ!」と見せ合っているシーンです。この回でも住んでいるところはバラバラの参加者(おそらくほとんどが東京)が、木工を通じて時間を共有できたこと、とても有意義でした。

統計でも証明されているようですが、バーチャルに「訪ねた」場所は、本当に行きたくなるそうです。私も南三陸やYES工房に、行ってみたくなりました。

オンラインではできないこと

今回作るスプーン、持ち手は意外と平ら(フラット)なのですが、残念ながら手元に見本はありません。現物を見ながら、触りながら、自分の作品を合わせていくということは、残念ながらできないのです。

始めは、このような丸々した枝の部分です。

茶色い皮をむくのはお料理気分で出来るのですが、そこから薄い楕円形っぽく削っていくのは、どこまでどう削ってよいものか、感覚的に難しかったです。金物と柄との接続部分は丸くつなぐので、円柱から楕円柱につなぐ感じです。

形が似ているスプーンを、手元に置いておくんだったなーと、振り返り。出来上がったマイスプーンはかなり丸々としていて、持ちやすさは今一つです。もう少し削れば、軽くできたはず。

そして、師匠たちの「手直し」も頼ることができません。画面に登場した師匠のお一人は、5分あれば柄を削れてしまうそうです。猛スピードで削っていかれる様子は圧巻。私たち、30分以上も格闘しております。こんなに削りかすが出ました。

師匠のヘルプなしなので、100%自分が作ったという満足感に、軸足を置きましょう!

ホームセンターDIYとはちがう南三陸らしさ

DIYと言えばホームセンターのイメージがあり、さらに東急ハンズやカルチャーセンターでもワークショップを開設しています。

今回のオンライン木工が大きくちがうことは、「行けなくても復興支援」というコンセプトでしょうか。私自身は、自らがボランティアになるというより、支援者を支援したり、観光でお金を落とす形で、協力するのがライフスタイルに合っています。観光をするのが難しくなってしまった今、このように家からできるDIYもいいなぁと思います。

木工作業に入る前に、簡単なレクチャーもありました。なぜ杉なのか? 杉の寿命は? 南三陸杉の特徴は? など、教えていただきました。

日本に平野は少なく、山は管理が必要です。そして私たちはもはや薪を使う暮らしをしていません。林業をはじめ第一次産業にもっと関心が集まる社会や、木材や木材加工品を使う、循環型の豊かな暮らしを実現していきたい… そう感じたあっという間の2時間でした。

次回以降の開催は、Peatixをチェックしてくださいね。以下のリンクは、今回8月8日のものです。

【8/8(土) オンライン木工DIY】南三陸杉でオリジナルスプーン・フォーク作り
2020/08/08 (土) 14:00 – 16:00
【スプーン】制作キット/【フォーク】制作キット
(税込・送料込)各¥3,500

https://peatix.com/event/1567631?lang=ja

そして今日も愛らしいオクトパス君です。

https://twitter.com/tacolog/status/1294767357093490688

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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