芸人先生2 #12 スピードワゴンがあつーく語る「好きなことをしよう!」
「M-1と笑点以外の緊張だね」とスピードワゴンのお二人。意外と皆さん共通して、緊張のコメントを漏らされるんですよね。小沢一敬さんと井戸田潤さんのコンビは、結成21年目だそうです。今回も若い女性向けのバッグ・小物で知られるブランド、サマンサタバサが舞台です。「あつーーーい」講義が展開されます。スピードワゴンの「好きなようにやろうよ」講座(2019年7月1日放送分)をお届けします。
「好きなようにやろうよ」と「好きにやろうよ」とは違いますよね。前者の方が、「好き」なことに対して真摯に向き合う、自分の意思を丁寧に扱う感じがあります。まさに、それがスピードワゴンのメッセージだったと思います。
テーマは「好きなようにやろうよ」講座
お部屋に入ってまず自己紹介、小沢さんが受講生に話しかけます。「初めまして、じゃないよね。2回目だもんね、夢に出てきたもんね」(笑) 今回知ったのですが、ネタ作りは小沢さんということもあり、ほとんど小沢さんが話しているのですね。井戸田さんは相づちというか、フォローをしている感じでした。
お悩みから聞いていきたい、とフロアから募ります。「一般の方に明るく華やかキラキラというイメージを持たれているが、それ以外も知ってほしい」「もっといろんな世代に知ってもらいたい」 そこにすかさず小沢さん、「そう思うってことは自信と愛情があるってこと。勝ちだよ!」と謎のエンパワメントです。
サマンサタバサは若い女性が好む、というイメージは確かにあります。ここでスピードワゴンが、 僕らも人前でやる仕事なので、 世間の反応は気になると前置きをしたうえで、 「世間のイメージを気にしすぎなのでは?世間の反応だけでいいのか?」と一石を投じます。
「カワイイ」は自分の中にある
サマンサタバサはカワイイってパブリックイメージがあるけれど、カワイイって何?と会場に質問です。それこそ、スイーツもかわいい、アンガールズ田中もキモかわいい。だからみんなにとってのカワイイは共通ではないはず。
男性にとっては、オートバイもカワイイ存在です。何がかわいいか?バイク自体がかわいいから、不具合を起こしたとしてもそれがかわいい(いとおしいって意味ですね)。全力で愛情が持てる。
一枚の写真に、寿司下駄に乗った寿司が数貫と、ビール瓶にコップ。この写真の中でカワイイのは?と質問すると、受講生たちは「たまご?」「えび?」「えんがわ?」と当てにかかります。小沢さんの答えは「ビールの小瓶」でした。このフォルムがカワイイ、と。
つまり、みんなかわいいと思うものは違う。だから自分のカワイイを大事にするってことです。
テンションを真似よ
ライブで「これをやればウケる」って思ってやったらウケない。これが真実です。
では、漫才はどうやったら面白くなるか、という問いに、ある先輩がヒントをくれたそうです。「真面目な顔して書いている漫才は、面白くない。誰かに受けようと思って作ったら受けない。好きなものからしか作れない」と。好きなものであれば、他人に話してウケようと思わなくても、一人でも笑ってしまうような面白い要素があるはず。
小沢さんは、子どものころ『コブラ』という漫画が好きだったそうです。『コブラ』で展開される粋でシャレてる世界観に惚れ込んでしまったそう。好きなセリフは、「電話で話せないことだから来てほしい」と言う相手に「背中のファスナーが止まらない?」と返すシーンだそう。
私は『コブラ』の絵が苦手だったので世界観まで入り込めませんでしたが、今見るとかなり独特の、子どもは入り込めないようなワールドがありますね。
ここでさらに面白いのは、「その人をまねてはいけない。その人のテンションを真似る」という小沢さんのアドバイスです。
あなたの好きなものは何?
会場に、好きなものを問うと、「夏のにおい」「神社仏閣巡り」「あったかいご飯」と銘々の答えが返ってきました。これも、みんなが喜ぶものなんて作れない、ということにつながります。自分が買いたいものを作ればいい。好きなものを作るしかない、と。
そこから何かが生まれる!考えることが楽しくなる!
最近は価値共創時代と言って、商品づくりなどにおいてもより自分らしさを追求し、 一緒に作る時代なのだそうです。好きを追求しながら好きを一緒にやっていくのですね。世間のイメージにとらわれず、自分(たち)の世界を作るのが大切、と分かります。
「すべて、途中なんです」
なぜ漫才が完成するかというと、締め切りがあるから。たしかに「本当はもっと考えたいのに、締め切りがあってやっている」 …でもそれは終わりではないのだそうです。 出した後でも気持ちに手を加えること、それをリトル小沢が言い出したそうです。 おもしろいな。
ここで井戸田さんの登場なのですが、打ち合わせでは「小沢さんあまい」と言っていたコントを、本番で「あまーい」と叫んだらウケた。そんな出来事を続けていくこと、ハッピーエンドがない代わりに、ハッピーコンティニューすべし、と。どんなエンドもただの一区切り、改良点を次に生かす!そう教えてくれます。
今の自分、今の人気に安住しないところ、 友近さんにも似ていますね。 今を全力で駆け抜けて、改良を加えていくこと。それがあって、21年続いているのだと思います。
好きなモノを調理器具に
後半は実践です。好きなものを調理器具にしてみる、というお題が出ました。前半で習ったように、売れるものではなく、自分がほしいものでいい、それはみんながほしいものではないということです。
- ダンシング泡立て器。使うたびに音が出てどんどん混ぜたくなり、ダイエットもできハッピーになる。
- ピンクのぬか漬け容器。
- 夏の太陽にバエる(映える)らくちんなBBQセット。今あるBBQセットは重くてかわいくないので、もっと輝いているのがほしい。
- タピオカが出てくる水道の蛇口。
- キラキラおはし。トップの部分に指輪をかけられる。
- パンとご飯が一緒にできるマシーン。
いいですね。自分の好きな世界を大切にしてください、とのことです。
スピードワゴンさんのメッセージは、「好きだからやる!」でした。とても力強かったです。パッションや熱量は、伝わりますね。しかもテレビでは井戸田さんの方がテンション高く見えるので、実は小沢さんにそんな熱量があったということが、新たな発見でした。
そしてサマンサタバサの皆さん、 めちゃうなずいていたのが印象的でした。 若い社員さんたちでしたが、学ぶ意欲や素直さが、魅力ポイントかもしれません!