芸人先生2 #6 ミキがバスガイドに伝える現場第一主義

芸人先生2 #6 ミキがバスガイドに伝える現場第一主義

「芸人先生2」本日の講師は、 しゃべくり漫才で知られ、女子高生に人気の兄弟ユニット、 「ミキ」のお二人。「ミキ バスガイドにアドリブ力を講義する」(2019年5月6日放送分)をお届けします。 採録まで正確ではありませんこと、ご容赦ください。

昴生(こうせい)さんと 亜生(あせい)さんのコンビで、「あせいこうせい」「こうせいああせい」と自己紹介。「バスガイドと芸人は同じ」この言葉の意味が、講義を通じてよく分かります。なぜなら、どちらもお客さん相手の仕事だからです。

前回に続き、受講生ははとバスさんの皆さん。 仕事で悩んでいることは?「マニュアル以外の言葉、アドリブ力がない。 渋滞など、予想外なことへの対処ができるようになりたい」「ツアーの企画で観光地の方と商談をするが、会話が続かず沈黙の時間が続く」なるほど、これまでのお悩みは社内でしたが、今回は社外の方とのコミュニケーションのようです。接客や営業での会話スキルを上げる、これがテーマです。

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「マニュアルを超えろ!」講座

ミキのお二人に言わせれば、はとバスの社員さんが「真面目に仕事に取り組んでいるのは分かるが、マニュアル通りの接客になりがちですね」「マニュアルは会社が積み上げてきたものだが、100%それに従うのではなく…」では、どんな技が待っているのでしょうか。

①現場で遊んでなんぼ

漫才では、「稽古量が見えたらダメ」と言われるそうです。 漫才はその場で初めて会った二人が会話をする設定のため、いかに自然に喋っているかがポイント。バスガイドも、マニュアルを覚えたうえで余裕をもつこと、遊ぶことが大切と言います。

しかしマニュアルは膨大な量で、新人は1.5~2か月で覚える必要がある。「暗記が苦手で、教本を覚えるのが遅い」というお悩みの社員さんもいます。ここでバスガイドの実践を依頼し、東京駅周辺の案内を再現してもらいます。「東京駅の北口から南口まで334メートル、東京タワーをすっぽり倒しても入ります」なんて解説をされました。

ミキはこれに対して、かなり辛口の採点をします。「覚えていることを言っているから、話が入ってこない」「少しでも『えっと…』となると、こちらは『大丈夫?』と思ってしまう」

アドバイスとして、感情を入れると相手に響くそうです。これは専門家の目から見ても、プレゼンで「ホントにこれが」「なんと!」「知ってますか?」と入れる効果と同じとのこと。ミキは現場第一主義。ネタをかっちり決めないで登場し、子どもばかりであれば政治のネタはしない、そのくらい現場に合わせます。。アドリブを入れると稽古を披露しているようには見えなくなるので、いつも 3割ほどはアドリブだそうです。そして 裏側は見せないので、「ネタが飛んだな」は言わずに、 日常会話を聞いてもらうように話すとのことです。

さらに、そのアドリブが本ネタになっていくので、それを自分のマニュアルにすれば、ますます洗練されていきます。そうすれば、毎回その舞台がオンリーワンになり、その場にしか生まれない感動が生まれ、お客さんが喜んでくれる。双方によい効果が生まれますね。

いかに自分が楽しむか、これが現場で遊ぶということ。ただ遊ぶのではなく、現場を押さえた上で応用したり、判断したりすること。これは上級者向けですね。マンネリ化せずいつもドキドキがある、という表現が出ましたが、これって普段の人間関係でも大切です。

②それって、ほんまに自分の言葉ですか?

さらにマニュアルを超えるには、どうしたらいいでしょうか。

「アウトソーシング、アジェンダ、インバウンド、…」知らない言葉があることもあります。もしくは、訪日外国人のことをインバウンドと言いますが、旅行業界以外では通じないかもしれない。自分らしくない言葉を無理に使っていることはないでしょうか?

漫才でも同じ。ミキは、会話のワードに気をつけろと言います。「ケータイ」は「携帯電話」と言う、「はずい」は「はずかしい」と言う。これは、特定の層にしか分からないことを避けるためです。先ほどのインバウンドも、訪日外国人と言えば伝わる確率がぐっと増えますね。

伝える大切さ、専門家は5歳の子でも分かるように伝える「ひらがな力」と言うそうです。例として「クー」という飲料は、大人がビールを飲んでくぅ~と言うように、子どもにもくぅ~と飲んでほしいという思いからヒット商品になりました。これまで謎でしたが、そんな意味があったのですね。自分の言葉にかみ砕こう、これは知ったかぶりに見えないためにも良策かと思います。

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最後に実践講義

亜生さんが面倒くさいお客さん役になって、バスガイドさんに対応してもらいます。設定は夏の昼、おばちゃん団体を相手に浅草を案内をします。

ガイド:正面が雷門です。
おばちゃん:私初めて!
ガイド:(おばちゃんのリアクションを無視)雷門のちょうちんは、重さどのくらいだと思いますか?
おばちゃん:私より重いのかしらね。
ガイド:そんなことはないかもしれないんですけれど、約700キログラムあります。
おばちゃん:700キロあるの?私と同じぐらい。
ガイド:(冗談を無視)
おばちゃん:もー、突っ込んでよー。私ボケてるの。(話を変えて)上の看板みたいの、なんて書いてあるの?
ガイド:何か書いてありますね。(質問に答えていない)私も存じ上げませんので、後ほど調べてお客さまにお伝えいたします。
おばちゃん: (丁寧な対応) うれしい。おなか減った。お昼時だし、雷おこし食べたい。
ガイド: (雷おこしに対応) 甘いものお好きですか?お客様の顔ほど大きいメロンパンを…
おばちゃん:私は顔ちっちゃ い!(一同笑)

関西と関東のちがいもあったかもしれませんが、それを除いてもいくつか改善できるポイントがありました。「私と同じくらい」や「メロンパン」は、教本にはない会話であり、現場で対応できたことはお客様の満足につながったではないでしょうか。

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現場が盛り上がり、満足してもらえればよい。お客さんは完璧を求めていない」これがミキのコメントです。ゆるさの中に、笑いが生まれるのですね。