会話なしへの挑戦『ロボット・ドリームズ』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
ふと横目に入ってきたのが、『ロボット・ドリームズ』。つまりノーマークでしたが、アニメーション(しかも写実的ではなく子ども向けに見えるアニメ)で大人向けでしたので、興味が湧きました。スペイン発、パブロ・ベルヘル監督作品です。
2023年の東京国際映画祭で上映されてから、ほぼ1年かかったということですね。
『ロボット・ドリームズ』へのひと言
動物が話さないことの当たり前。
観始めてすぐ、あ、そうだったと気づくのが、動物が話さない当たり前です。
動物や無生物が擬人化された映画は山ほどある。ライオンキング、トイ・ストーリーなど思い浮かびます。登場人物の感情表現は、言葉にできれば簡単。
それが、笑ったり眉をひそめたり怯えたりくらいしかできないと、伝えたいことのかなりは失われます。それでも愛する者へのひたむきな気持ちがあり、嫉妬や失望や忘却をするところが可愛い。
どんな時にもどかしいか。本作に出てくるのは、シーズン以外立ち入り禁止のスペースに入りたい時。人間なら、管理者に理由を話して、少なくとも交渉はできます。犬だからそれができない。門前払いです。
言語が中心の世界、過多でもあり格差を生み出す原因ともなる部分。奥深いなと思います。
では登場人物にどう感情移入していくかというと、ポイントは目でしょうかね。メラビアンの法則どおり。
ダイバーシティ表現
例えばピーターラビットは、ウサギ界の話で、人間が敵だったり、ハリネズミが親戚だったりします。一方『ロボット・ドリームズ』は、犬「ドッグ」とブリキの「ロボット」の友情が中心ですが、ほかにも様々な動物が出てきます。ダンスをするシーンは圧巻。
弱肉強食な世界を無視することで、平和な世界が描かれます。ある意味鳥獣戯画か!
音楽映画と化す
これは良し悪しですが、映画の音楽の印象が強すぎて、音楽映画になってしまうことがあります。ヒット曲は往々にしてありますね。王家衛監督作品などは、セットで覚えています。
本作は「セプテンバー」という曲がガッツリ刻まれますが、可愛らしかったのが、1980年代の象徴であるラジカセとセットで使われているところです。
音楽を持ち歩くことが大変だった時代、単一の乾電池をいくつも入れて、カセットが2つ入り左右のスピーカーから音を出せるブリーフケース大のラジカセがありました。この頃、ウォークマンも市場に出て、耳にイヤホンを当てながらジョギングする人も現れ始めました。
今日はこの辺で。