タイトルに秘密があった『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
今日は旧作、1997年の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。ガス・ヴァン・サント監督、マット・デイモン&ベン・アフレック共同脚本です。
27歳でアカデミー脚本賞を受賞、ピッカピカの青年の功績ですね。
何度も見ている名作ですが、今回一つの気づきがありました。では早速ひと言に行ってみましょう。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』へのひと言
タイトルにもひとひねりあった!
いつものように同じようなところで泣いたり感極まったりしていたわけですが、終盤で面接を受けるマット・デイモンが受付で名乗ります。
「ウィル・ハンティング」
あっちゃー、名字ハンティングだったのか。
タイトルの『グッド・ウィル・ハンティング』”Good Will Hunting”は、ネイティブが聞くと”Goodwill Hunting”にも聞こえます。つまり、よい意図(Goodwill)を探す、見つける(Hunting)。まさに主人公ウィル・ハンティングの立ち位置そのものなのです。
なるほどね、そんな言葉遊びがありましたか。非ネイティブとして新たに気づけてよかったです。
*「よきウィル・ハンティング氏」という意味ではないそうです。
カウンセリング的な見方
弱冠27歳の青年2人がよく書いたなぁと思う脚本なのですが、主人公の描かれ方は本当にすごいです。不遇な幼少期を過ごしたウィルは、数学の才能に恵まれていながら名門大学の用務員をしている。「自分がどうなりたいのか分からない」から、知識で相手を打ち負かす。誰かに気持ちを開いても、相手が離れる前に相手を突き放すことで自分を守る。
何人もの著名なカウンセラーが根を上げた後に、ロビン・ウィリアムズ扮するショーンが登場します。このショーンがウィルの心を溶かしていくのが、観衆の一番見たいところ。クライマックスと言えるシーンでは、”It’s not your fault”(君のせいではない)という名ゼリフが生まれています。
もう一つ、私が好きなのが “Good luck, son.”(幸運を)というセリフなのですが、どこで出てくるかはどうぞ作品をご覧ください。
助演キャストの好演
本作はロビン・ウィリアムズとマット・デイモンが最初にクレジットされ、タイトルに続いてベン・アフレック、ステラン・スカルスガルド、そしてミニー・ドライバーが名を連ねます。
ベン・アフレック… 尊敬を込めて言うと、「ごろつき」「チンピラ」感が半端ないです。着ているものが上下スポーツウェア、アイルランド系としてけなしたりけなされたりの会話がバーで飛び交い、髪のカール具合もパンチパーマに見えてきて、見事な演出です。彼自身大学を出ていますが、工事現場でビール立ち飲みするような設定がリアルすぎます。
ステラン・スカルスガルド… スウェーデン人で、ラース・フォン・トリアー監督ファミリーの一員ですが、1990年代よりアメリカ映画にも出ておられます。私のイメージでは、ウド・キアーと同じく、自国の外で活躍している成功者ですね。今回はMITの教授を演じます。
ミニー・ドライバー… もう最高です。ハーバード大の学生を演じるのですが、まあまあ体格がよく肩幅もあり、過去にバスケットボールをやっていた話もしながらこの体の大きさを受け入れている様子。ドッグレースに出かけてはしゃぐ様子も、ハンバーガーを食べながら最初のキスをおねだりするところも、全部可愛い。モテる女子の要素総なめです。自分の追求したいものをまっすぐに目指していく姿も、ウィルには斬新に映ります。
またたまに見直したい、名作です。
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