『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
1990年、私は高校3年生。大学に入ってエリック・クラプトンを知ることになりますが、彼のクリーム時代のアルバムなどはヘビロテでした。
今年(2023年)の4月にクラプトンが来日していたことも後から知りましたが、『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』(デヴィッド・バーナード監督)は1990〜91年のライブを収録した、2023年公開のドキュメンタリーです。40代のノリノリクラプトンが見られます。幸い、曲はほとんど分かりました。
今日の会場は、50代以上の男性がほとんどを占めていて、かつてのバンドマンなどでクラプトンに惚れ込んだ方々なのでしょう。クラプトンのスッと伸びた指先のアップもよく見られましたし、マニアの心をくすぐる名場面がたくさんありました。
『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』へのひと言
黒クラプトンに、白クラプトン。
最近中田敦彦さんが、MBさんの著書『最速でおしゃれに見せる方法』を取り上げていたこともあり、ドレスを基本とするヨーロッパの世界と、Tシャツ、デニム、スニーカーのアメリカンカジュアルの世界を合わせていくことがおしゃれ、ということが頭に焼き付いていたわたくし。
エリック・クラプトンはシャツにジャケット、スラックスです! ヨーロピアン・ロック!!! 私の中で思い浮かべるギタリストは、ジャック・ジョンソンさんや奥田民生さんですが、二人ともアメリカンカジュアルの印象ですからね。
服装に注目したら、なんだかすごく新鮮な鑑賞体験でした。
クラプトンはCaucasian(いわゆる白色人種)で、ブルース系統を汲む音楽では、黒人アーティストの方と多く組んでいます。作品中、上下黒(もしくは濃紺)スーツで登場すると、黒人アーティストの方が全身白スーツで登場したりして、とても素敵です。もちろんクラプトンも全身白スーツの時がありますが、肌が白いので黒の方が締まって見えて、似合うかなぁ、と思ってみたり。
タワー・レコード全盛期
90年代のことを思い出していたら、ライナーノートのコピーを友だちや図書館から借りて、曲の歌詞を得ていた、みたいな地味な作業をしていました。
そして、音楽に詳しい人はタワー・レコードに入り浸って、壁にかかった新譜アルバムを片っ端から聴いていたな、と。今調べたら、ナカミチの視聴機にオーディオテクニカのヘッドホンがセットだったのですね。本気度を感じます。もちろんレコードからCDになった時も大きな社会変化でしたが、今はデジタルなので、ますますタワレコの存在価値が問われているように思います。
クラプトンの曲の歌詞は、私も手書きで写して歌って覚えました。初期の曲はBob Marley(I Shot the Sheriff)やBob Dylan(Knockin’ on Heaven’s Door)作詞ということも意識せずに聴いていましたが、ヒット曲LaylaやWonderful Tonightはクラプトンが作詞しています。
日本での人気
公式サイトでは、「漲る自信と野心」「当時40代半ばで、まだまだギラギラした上昇志向も感じさせる当時のエリックの佇まいも見どころ」とありました。今のクラプトンと比べたら、もちろんそうかもしれません。私が今日感じたことは、「オレオレ感のなさ」で、これが特に日本でクラプトンファンに受けているのかもなと思いました。
音楽を始めるティーンエイジャーのほとんどは「モテたい、目立ちたい」ので、プロすらもそういう心持ちの人はエゴが透けて見えたりします。「オレってカッコいい」が前面に出てしまう。今日見たクラプトンは、もうすでに頂点を極めていて、観客を喜ばせることを知っている。人をリスペクトし、立てている、自信を持って場に臨んでいる、リラックスし、楽しんでいる。
一方で、ちょっとイエス・キリストっぽい見た目だし、営業スマイルをしない(ロッカーたるもの、そうかもしれませんが)。写真も多くが悲哀まじりの表情というか、控えめさや影を感じます。
そう、彼の世界観かもしれませんが、少し人生のせつなさも感じる。最愛の女性に愛が届かないことへの恐れなど、歌っていますから。ドヤって感じはないですよね。
そんなクラプトンが改めて好きになりました。当時のティーンエイジャーたちはギターの他に髪型もタバコも真似したでしょうけれど、彼のボブカットはいけてると思いました!
公式サイト:http://clapton.onlyhearts.co.jp/
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