スケボーに見る、尊敬とリスペクトのちがい
Cover Photo by Vidal Balielo Jr., Pexels
こんにちは、Junkoです!
東京オリンピック2020での注目競技の一つが、スケートボードでした。特に、大きな技に挑戦し失敗してしまった岡本碧優選手を、敵であるはずの海外選手が担いでたたえるシーンが、とても有名になりました。
また、男子銀メダリストのPedro Barross選手(ブラジル代表)は会見でこんなコメントをしていました。
「尊敬する大好きな友達と一緒に表彰台に立てて本当に嬉しい。スケートボードは単なるスポーツではなく、ライフスタイルであり特別なもの。ファミリー(スケーターたち)と『すべてをリスペクトする』というメッセージをオリンピックを通して世界へ発信できたと思う」
https://news.j-wave.co.jp/2021/08/post-8288.html
今日の注目は、この「リスペクト」について。私の記憶では、10年前くらいから会話に上るようになりましたが、リスペクトで表現されている日本語の気持ちは何か、尊敬とどうちがうのか?について知りたく思いました。
先ほどのコメントを逆引きしてみましょうか。まったく同じではないのですが、読売新聞の英字紙 The Japan News ではこんなふうに引用されていました。意訳すると「このスポーツを通じて、よりよい場をつくる、よい世界にする、愛や尊敬(リスペクト)を分かち合う。そういうことなんだ」。
Brazil’s Pedro Barros, 26, who won a silver medal in the men’s park skateboarding, was quoted as saying. “It’s all about making the sport a better place and a better world, sharing love and respect. Skateboarding is a community and lifestyle that goes way beyond just a sport.”
https://the-japan-news.com/news/article/0007673481
確かにリスペクトと言っています。ブラジルの選手の発言であるため、母語はポルトガル語かもしれませんし、外国語としての英語かもしれませんがスケートボードでrespectという概念が浸透していることは想像できます。
そして、私が中高英語で覚えたrespect は、「尊敬」でした。英英辞書Miriam Websterを見てみます。4つ意味があり、今回のリスペクトは3つ目のaにあります。(カッコ内は当て訳)
1: a relation or reference to a particular thing or situation (モノや状況への関係や参照をすること)
https://www.merriam-webster.com/dictionary/respect
2: an act of giving particular attention : CONSIDERATION (特別に注目を寄せる行為)
3a: high or special regard : ESTEEM (尊重、高い評価、特別な評価)
b: the quality or state of being esteemed (高く評価されている状態や性質)
c: respects plural: expressions of high or special regard or deference (敬う念を示すこと)
4: PARTICULAR, DETAIL (特に、詳細では)
なるほどですね、そうすると「敬意」が近いかもしれません。respectは自分発信なので、相手から求められるものではなく、自分の内側から発するもの。では「敬う」はなにかと言えば、「結果や過程や姿勢をまるごと価値あるものと認識して、素晴らしく思うこと」でしょうか。よく、高齢者を敬うという表現をしますが、年齢が高いという事象だけではなく、その年齢に行き着くまでの経験を持っていること、今ある姿、に価値がある。
私のリスペクト訳=「丸ごとすごいと認める」に落ち着いたものの、単にすごい(驚きや賞賛)でもなく、自分の土台もしっかりしている(ないものねだりではない)ところ、うまく表現できているでしょうか。
リスペクトできる(丸ごとすごいと認められる)状況や環境が、好きだ!