園子温監督の作品がもっと見たい!

あー、本当にビックリしました。

園子温監督が心筋梗塞で救急搬送されたという、昨夕のニュース。手術をしたそうで、今朝ほど、命に別状ないとのことで一安心。

ファンから言わせれば、一つでも多くの作品を観たい、それに尽きます。

『愛のむきだし』(2009)の衝撃

本当はもっとゆっくりじっくり語りたかったのですが、今日こうやってまとまらないまま走り書きしていることを、お許しください。

私が園監督を知ったのは、2009年の『愛のむきだし』でした。2008年11月の東京フィルメックスでは上映していましたが、その時は観ることができず、2009年2月のベルリン映画祭にかかって以降です。

ヨーロッパの観客が好きそうな、キリスト教の話題がそこかしこにあり、十字架を背負うイメージなども出てきて、とっつきやすさはあったと思います。音楽も上手く使っています。

そういうパッと見入りやすいテーマ設定から、前半は盗撮、後半はカルト教団を題材に、愛について考えるという、深い作品。

AAAの西島隆弘さん、満島ひかりさん、恐ろしい脇役に安藤サクラさん、渡部篤郎さんなど、キャストも文句なしの素晴らしさ。

237分もある大作ですが、この長さ必要か?と問われたとき、観た人は必ず「YES」と答えるかな、と。

『紀子の食卓』(2006)の方がいいよね、と言うのが通

その後、映画業界の方などから『紀子の食卓』の方が面白い、と力説されることが多く、拝見。たしかにすでに園ワールドが出来上がっている作品でした。

吉高由里子さんのハマり役でしたし、怖さを通り越す感覚があるんですよね。

その後、『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』と、代表作を発表される中で、園監督の名作はやっぱりこの2本だろう、という意見に私も賛同します。

2015年11月、東京フィルメックスで『ひそひそ星』を特別上映した際には、監督も会場にいらしていました。ご結婚された、女優の神楽坂恵さんと一緒でした。

こちらは、全体的にザラザラしている質感の、不思議な映画でした。観終わった次の日や、その次の日にグイグイくるタイプの映画です。

監督のお名前について

今でこそ、園子温(そのしおん)と読める方は増えてきたと思いますが、10年前は映画業界でも園子監督?と言う人がいたくらい、なかなか珍しいお名前をお持ちと思います。

子温(しおん)と聞いて、私はシオニズムを連想したので、教養を感じたというか、聖書から取ったのかな、これも海外の方に覚えてもらいやすかったのかな?と思っていました。本当のところは分かりません。

監督は、Sionと綴っておられます(ローマ字表記では、Shionが一般的)。

同級生に例えると

最後に、本当に無駄な話をすると、クラスの同級生に是枝裕和監督と、園子温監督がいたとします。

是枝監督は、憂いのある、じっと考えている優等生な雰囲気が漂う。園監督は、酒もタバコも解禁の、ルールのない世界に生きる、破天荒な存在。どちらも女子生徒に人気です。

野球で言うとイチロー選手と新庄選手がそうだったように、サッカーで言うと長谷部選手と本田選手がそうだったように、日本映画界における対照的なお二人というか、なんだかいいバランスが取れている気がします。

園監督、早く快復されますよう、次作以降も楽しみにしています!

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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