サンドイッチで加速? 食のパーソナライズ

飛行機では一度のフライトで数百回繰り返されるフレーズ、”Coffee or tea?” コーヒー紅茶も、ミルクや砂糖を入れる・入れないで少なくとも4通りの提供の仕方がある。安価なものだが個々の嗜好に対応している例だ。

食で個別アレンジされたもの、と言ってすぐに思い出すのが、サンドイッチの「SUBWAY」。サンドイッチが少し高級かつオシャレだった昭和の時代は、デパートの最上階レストランでサンドイッチとレモンスカッシュを頼み、具材は大抵ミックスで、食パンの耳を落とした適量のサンドイッチが、パセリや缶詰チェリーとともに、プレートに並んでいたものだ。今でもホテルであれば、このようなサンドイッチは、ピクルスとポテトチップが添えられ軽食として出てくる。

1990年代初頭、アメリカでのオーダー・サンドイッチに困惑。私が欲しいのはサンドイッチなのに、あれこれ聞かれるってどういうこと?パンの種類に始まって、メインの具材、野菜の種類、チーズの種類、ドレッシングの種類。あーめんどくさい!が初めの感想。野菜は全部ほしいから「エブリシング!」と伝えていたし、そもそもチーズの種類は分からないので、「そこのホワイト」「イエローワン、プリーズ」などと指さしていた(後から、私の好きなのはProvoloneという名前だと知る)。日本に「SUBWAY」が上陸したのも1991年とのことだが、お決まりのセットからパーソナライズの世界へ、価値観がシフトさせられる事象だったように思う。今はむしろ、「え、選べないの?」と疑問視するほどだ。

とは言え、釜揚げうどんの店ではうどんの温冷やトッピングを選べたりするから、あくまでサンドイッチ×日本の領域で画期的ということだったのかもしれない。他にも「つゆだく」「麺固め」など、パーソナライズではあるがあくまで提供される基本があり、それをアレンジする世界も存在している。今後どんな食材でどこまでパーソナライズが進むか、注目したいところ。

 

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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