ポスト・ウォーホルの寵児、バンクシー展(9月27日まで、横浜)

ポスト・ウォーホルの寵児、バンクシー展(9月27日まで、横浜)

バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってきました!世界を巡回している本展示、会場入口でマルチスクリーンのビデオを見たのですが、見てください!鑑賞する小学生くらいの姉妹が映りこんで、最高にカワイイ!

この投稿は、展示のポイントを3つにまとめ、訪問する方のお楽しみを奪わないようにまとめました。観覧前でインプットを最小限にしたい方は、最初の項目だけお読みください。

新しい鑑賞スタイル

ウイルス対策もあって、バンクシー展訪問は日時指定の鑑賞券の購入から始まります。10:00~20:00まで、1時間刻みで入場者を区切っています。私は休日の10:00~11:00に入ればよいチケットを買いました。毎時00分には来場者が一気に来るため、若干混みあった感じになりますが、人の頭で作品が見えないというようなことはなく、大変有難いです。所要時間は、私の場合ぴったり2時間でした。

場所は、美術館ではなく横浜駅からすぐのアソビルです。アソビルからの案内(こちら)、とても参考になります。横浜駅から「みなみ東口」を目指してGO! 通路右手にフッと現れます。

そして館内は、フラッシュなしの写真撮影OKです。これは後ほど書きますが、油絵や水彩画とは本質的にちがうことが背景にあります。インスタスポットもあるのですが、マスク着用のままで、おしゃべりを控える必要があり、まだ積極的に使える感じではなかったです。

極めつけに、自分のスマホから無料で聴ける音声ガイド。これまで、音声ガイドは入場料とは別に払い、デバイスを借りて聴くものでした。デバイスを出口から入口に戻して、消毒してまた貸し出す…なんてことをせずに、来場者本人のスマホとイヤホンで簡単に聴くことができる。この方式は私は初めてでしたが、簡単で素晴らしいです。会場でも、50代くらいの方までは問題なく使えていたようです。自宅に帰っても、聴き直すことができます。

ステンシル&ストリートアート

今回、作品は2003年くらいのものから展示されており、バンクシーはもう15年以上アート界にいる成功者だと言えます。バンクシーは、顔を明かしていませんよね。制作現場を写したビデオ(顔は写っていない)もあるので、誰も知らないというわけではないですけれども。

バンクシーの絵画は、グラフィティ(落書き)として外壁などに突如現れるのですが、ステンシル(型紙)アートということが大きいですね。顔を明かさずに、夜中にスプレーでシューッとやる感じでしょうか。短時間で完成しますし、複製が容易です。スクリーンプリント(版画)もありますが、同じことが言えます。

アンディ・ウォーホルを彷彿させる作品もあり、ウォーホルやキース・へリングのように、みてすぐにバンクシーだと分かるのが、彼の作品の特徴です。しかも美術館に大切に保管されているというよりは、「路上の落書き」であり、複製でき所有できるアート。大衆から愛され、消費されることに価値があります。

本物だという証明の一つとしては、版画の場合番号がつけられています。やっと会えた「あの子」には、600分の334と振られていました。

こちら、笑っちゃったんですが、ギフトショップにあったひと言です。「著作権は負け犬のためにある」でしょうか。複製はご自由に、というような名言に押されて、グッズ買うのも笑えますね。

フォントもよく見てもらえると分かるように、文字が1-2か所切れています。展示のディスプレイすべてがこのフォントでした。想像するに、ステンシル用ですね、〇の部分が抜け落ちませんから。日本語フォントも真似できたらよかったですね…。

優れたキュレーション

「バンクシー展 天才か反逆児か」は、「BANKSY Genius or Vandal?」の和訳であり、作品の選定から分類、順番まで、オリジナルの展示をそのまま持ち込んだと思われます。

約70の作品は、「消費」「政治」「抗議」などに分けられ、それぞれがものすごい主張とともに語りかけてくる感じです。『聖☆おにいさん』でもう思いますが、教養がないと笑えない、そんなストリートアートです。

風刺するには、英語力や文化背景への知識もちょっと必要でした。例えばこちら“Applause”(アプローズ)は、メディアが戦争でさえもショーにしてしまうことを皮肉ったもので、ボードに掲げられた“Applause”は「拍手」を意味します。お客さん、ここで拍手ですよというカンペを出しているところ、というわけです。本当に腹をくくった風刺だと思います。

展示の最後で、バンクシーは天才か反逆児かをQRコードで投票するのですが、私は迷わず「天才」に投票しました。ここまでシャープにキレないと、反逆できないからです。

図録も天才(白)か反逆児(赤)を選べます

地図上でバンクシーのヨーロッパや北米でのアート作品を見ると、彼はまだ日本には来ていないようですね。ということは、小池都知事、残念でした。やっぱりステンシルだから、真似できちゃうんですよ…。バンクシーが日本に来てくれたら、どんなことを風刺するか、楽しみです。