名作『テルマ&ルイーズ』のジーナ・デイビス、ジェンダーの課題に切り込む!

アメリカではアカデミー賞の時に人種のバランスが話題になります。スパイク・リー監督は選定する側も選定される側も白人中心主義であることを指摘していますし、2017年に『ラ・ラ・ランド』ではなく『ムーンライト』が最優秀作品賞を受賞した時にも課題が浮き彫りになりました。

一方でジェンダーはどうでしょうか。圧倒的に男性監督や男性の主役が多い映画産業では、まだまだ “女性監督” と形容されてしまったり、ヒロインを主役にした映画も少数でしょう。

そこにもう15年前(2004)に切り込んでいた人が女優のジーナ・デイビスさんだと知りました。Geena Davis Institute on Gender in Media という非営利組織の創設者です。ジーナさんが娘の育児の時に感じたことをきっかえに、「メディアでの男性、女性をバランスよく描写する」「男性、女性のステレオタイプを植え付けない」「11歳以下の子どもたちにユニークで豊かな女性キャラクターの印象をを与える」ことを目的に、設立されました。

URLが seejane.org なのですが、See Jane とは、ジェーンを見る(見よう)、このジェーンとはもちろんターザンの相方のことです。『ターザン』映画シリーズだと、1918年まで遡ることになります。

https://alchetron.com/Tarzan-of-the-Apes-(1918-film)

そしてジーナ・デイビスと言えば、『テルマ&ルイーズ』です。


テルマ&ルイーズ <スペシャル・エディション>/DVD/MGBQF-15918

この映画、いろんな意味ですごいのですが、まずリドリー・スコットが監督。女性2人が主人公。ブラッド・ピットがほぼ無名の新人で登場。脇役にハーヴェイ・カイテル。ジーナ・デイビスがブラッド・ピットにうつつを抜かすのも、この映画に重要なエッセンス。あらゆる意味で、女性を解放する内容でした。

そんな「テルマ」であるジーナが、ご自身に近い領域で社会的課題に取り組んでいることは、関心を引きました。25周年で拝見したお二人も健在で、団体の活動も楽しみです。

(C) Harper’s Bazzar / MGM

『テルマ&ルイーズ』はほぼリアルタイムで見ているので、映画は時代を表すものだなぁと、つくづく思っています。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

おすすめ