駆け引き上手が人生を制す、『チャレンジャーズ』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
はじめにビジュアルを見て、あれ?ジャッキー・ブラウン?と思いました。それがゼンデイヤでした。『君の名前で僕を呼んで』(2018)のルカ・グァダニーノ監督ですから、自ずと期待が高まります。
どんな期待をしていいのやら。楽しみに映画館に向かいました。
『チャレンジャーズ』へのひと言
古典的な恋の三角関係に、スポーツ。どちらも駆け引き。
この映画、あるようでなかったと思います。つまり、古典的な恋の三角関係を扱った作品もあれば、スポーツを題材とした作品もあります。その両方を合わせて、一般ウケする作品に仕上げた監督の手腕に感服しました。
なぜこの二つの相性がよかったかと言うと、アスリートには肉体美があり、かつスタミナもある。人間の根本的欲求「子孫繁栄」に直結するようなルックスのよさ、そして性の事情に直結するからです。選手の汗がほとばしる様子は、スポーツには収まらない活力を感じさせます。

ゼンデイヤの均整取れた体にビックリしました!
誰に共感するか
三角関係ですから、女性1人を男性2人が狙うわけですが、この配役も秀逸でした。
見る人によって、もしくは見る人のタイミングによって、共感の度合いが違うかと思います。女性テニス選手かつインフルエンサーのタシにとって、従順なアート(マイク・フェイスト)と、ボスキャラのパトリック(ジョシュ・オコナー)は、どちらも魅力的なようです。
私から見たら、アートがめっちゃいい人だし、パトリックは自信過剰でいやなヤツ。ただ、パトリックは人を苛立たせたり、心を揺さぶったりと、選手として上手(うわて)な所があります。女性だったら、性格に惹かれるでしょうか。それとも強さに惹かれるでしょうか。
人間は、ないものねだりなんですね。アートとパトリック、このうちの一方は元カレなわけですが、両者の試合を見るなんて、冷静でいられるわけがありません。想像しただけで、タシの図太い精神が伺えます。
ルックスのよいスポーツ選手が、Aさんと付き合った後に、ライバルであるBさんと関係を持った。こういうスポーツ界にあるであろう日常を垣間見る気持ちにもなります。
最後ああーーーーーーーーーって感じです。
13年間の月日
本作は、現在と過去、そしてその中間の過去と、おおよそ3つの時空間を刻んでいます。ややタイムラインが煩雑ですが、それだけこのラブゲームがしぶとく続いていることを物語っています。

高校・大学時代から30代前半まででしょうか、その13年間を演じ切った主役たちが、素晴らしかったです。高校時代のタシ、めっちゃ可愛い!
人生長いですから、30歳になったからと言って、その後も何十年もあるわけです。しかしスポーツ選手は体力の限界とともに引退するので、選手生活のほとんどにおいてこの恋の駆け引きが続いている面白さを、本作では少しゴシップ気分で堪能できました。さすが監督です!