書店の行く末、『ユー・ガット・メール』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです! 本日も旧作となりますが、メグ・ライアンとトム・ハンクスが共演した『ユー・ガット・メール』(1998)。なぜこの作品かというと、久しぶりに国際線に乗ったらクラシックとして名を連ねていたからです。20年経てばそうなりますね。

当時はEメールが世の中に出てきたタイミング。プロバイダのAOLが使うメール到着時の音声「ユー・ガット・メール」がそのまま使われました。ノーラ・エフロン監督(女性)の作品です。

『ユー・ガット・メール』へのひと言

書店も様変わり。

私も覚えています、スターバックスが現れて町のカフェが不利になった頃のこと。今でももちろん、小売店を応援する人は一定数いますが、それでも大型店を凌ぐ勢いはありません。

本作では、ニューヨークの小さな児童書専門書店と、大型チェーンの二人が恋仲かつライバルでもあります。日本で言うと、クレヨンハウスとTSUTAYAみたいな感じかな。大型チェーンの方は、中でコーヒーを飲んだりもできるので、まさにTSUTAYA的な空間があります。

あれから25年で、書店がこのように衰退するのを想像できた人は、少ないかもしれません。Amazonなどの通販に取って代わられましたから、書店は絶滅危惧種になってしまいました。とは言え、出版業界は随分昔ながらの商習慣がありましたから、変わらないといけない部分もあったと思います。例えば書店はノルマなく雑誌を返品できること、本の定価が変わらないことなどは、運搬・在庫にかかるコストなどを無視した運営方法だったように思います。

今頃、この恋仲の二人はいずれも経営に苦しんでいるのかもしれませんし、AOLのようにインターネットを絡ませてうまく商売できているのかもしれません。

町のコーヒーショップが生き残れるのは、利益率がいいからかもしれませんね。

メグ・ライアンと浅野温子

当時のメグ・ライアンと言えば誰もが「かわいい」を連呼する売れっ子。仕草や表情が毎秒愛らしかったです。それも作り込んでいる感じはなく、自然な感じで。男性なら「惚れてまうわ」でしょう。ただ、演技に幅があったかと言うとそれは疑問で、ピュアでイノセントでナチュラルなキャラを演じ続けていた印象です。

日本では、1980年代に浅野ゆう子さん、浅野温子さんというW浅野の存在がいたのですが、メグ・ライアンを見るときに、どうも私には浅野温子さんが思い出されます。

https://www.ikushimakikaku.co.jp/asano-atsuko/

浅野温子さんは「かわいい」より「かっこいい」で、絶大な人気を誇っていましたが、やはりインパクトの強さから何をしても「浅野温子」、という紋切り型な感じが否めません。

メグ・ライアンと浅野温子は対極にありますが、メディアや大衆が期待されていたものを考えると、それに応え続けた人たちだったような気がします。

メグ・ライアンの現在

メグ・ライアンはもう映画に出ていないのかと思ったら、『What Happens Later』(2023)でスクリーン・カムバックを果たしたそうです。ラブコメの女王ですから、もちろんラブコメ(romantic comedy)で。

ハリウッドは、どうしても女優の方が短命です。ですからどんなにしわくちゃのメグ・ライアンでも、応援したいと思っています。よく見ると、きっといろいろ注射している感じはしますが…。

そして、オードリー・ヘップバーンに代表されるように、若い頃の自分がスクリーンに収まっていることって素晴らしい。ぜひ、メグ・ライアンの三部作『恋人たちの予感』(When Harry Met Sally…, 1989)『めぐり逢えたら』(Sleepless in Seattle, 1993)も改めて観たいと思いました。アメリカの幸せが詰まっていますから。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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