街並みを味わうのがいい、『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』(2021)を観てきました。ジャケ買いに近く、ジョージアの映画なら見てみたい、ポスターも水色で可愛い、という単純な理由で決めました。アレクサンドレ・コベリゼ監督作品です。
『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』へのひと言
主役はジョージア。ロケ地巡りとして、見る。
150分と長く、かつ物語がなかなか進まないことに、眠気を催したりやきもきした観客も多かったはず。主人公を中心とした映画だと思うと、なかなかつらいものがあります。主人公の男女の容姿が、冒頭に変わってしまったまま終盤を迎えるのですが、もう冒頭の二人を思い出すことすらできません。
でも、ジョージアの古都クタイシは、すべてに映し出されています。人に会いに行ったり、人を迎え入れたり、準備をしたり、話をしたり、子どもたちが駆け出したりと、日常が展開されます。石畳があって川があるな、夜でも外で飲み食いできるんだな、シャツを脱いでサッカーやるんだな、と日常の景色が繰り広げられます。アッバス・キアロスタミ監督の作品にも近いです。
場所が主役級、というとストーリーには申し訳ない気もしますが、行ったことのない国の、日差しから犬たちまで、フィクションだけれどロケ地巡りしているかのような感覚さえありました。
批評家には高評価
Rotten Tomatoesで見た本作の評価は、概ね好評でした。やはり独特すぎて、映画の文法を逸脱しているところが多かったからでしょう。一般受けというよりは、玄人好みなのでしょうね。
日本ではポスターもオリジナルでしたし、邦題『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』も詩的で、爽やかなラブストーリーを期待した人も多かったと思います。まさに、スマートフォンのない世界で、電話番号やSNSも交換できない、写真を撮ったりもできないまま、会いたいのに会えない時間が続きます。そういう意味では間接的表現の多いラブロマンスでした。
同作品のポスター別カットですが、全然印象が違いますよね。
本作を見ながら、日本の「月が綺麗ですね」という表現を思い出しました。これが告白の言葉だと言われるくらい、日本は間接表現のある文化です。ジョージアも、ハグやキスやボディタッチが多いわけではなく、でも相手を思って食べ物を持っていったり、そういう温かさが伝わってきます。
もう一度観たいかというと微妙ですが、ほのぼのして好感度の高い作品、そしてジョージアに観光客を呼び込みそうな映画でした。
公式サイト:https://georgia-cafe.com/
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