環境映画かどうか?『せかいのおきく』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!

4月28日公開の『せかいのおきく』、ひと足お先に拝見する機会がありました。

黒木華さんがヒロイン、相手役が寛一郎さん(佐藤浩市さんのご子息)、池松壮亮さん。脇役が真木蔵人さん、佐藤浩市さん、石橋蓮司さんと、ぜいたくなキャスティングです。

せかいのおきく』へのひと言

デートで行くには難易度高い。

本作は、循環型社会を描く、環境映画だという触れ込みが一番大きいと思います。そこに、男女の恋愛があり、ヒーロー2人の青春があり、サムライのプライドや教育の普及があり、町人のコメディがある。ミックスジャンルです。タイトルが「せかいのおきく」と、すべてひらがなになっていることにも、意味があります。

海外の評価として、「今までの時代劇にはない全てがある」とのコメントがありました。たしかに、戦(いくさ)のシーンがあるわけではないですが、日本だと「水戸黄門」なども頭に入っていますから、戦のない時代の町人の暮らしぶりは想像がつく範囲ですね。「今までの時代劇にはない全て」を絞り込まなかったのは意図かと思いますが、観る方が何を期待していいのか、ややオープンに感じました。

しかも排泄物がたっくさん出てくるのも、日常らしいですね。その意味でモノクロ映画でよかったとも言えます。終わる頃には慣れちゃいますけれど、カップルなら関係性の長い方々がいいと思います。環境映画よりも「う●こ」の方がインパクトありますから。

黒木華さんが主人公なのも、時代劇では一つポイントですよね。私は、寛一郎さんと池松壮亮さんの荒削りでピュアなやり取りが、素敵だなと思いました。しかも佐川急便さんのように「飛脚」的なお仕事なので、細マッチョで美しかったですよ。

時間の感覚

最近の映画は2時間超えることが通常ですが、本作は89分で章立てされていて、1つの章の次が翌年だったりします。つまり、さほど劇的なことが起きない日常を過ごし、半年や1年が過ぎてしまうので、動きが少ないようにも思えます。そして気づくのが、「これが日常だった」ということ。情報量がちがいますし、天気予報も分からないまま稼ぎに出ますし、途中でハプニングが起こっても手立てがなく泣くしかない、そんな毎日。

映画を観ている身としては、何も起こらないような日々は凡庸に感じることもありますが、それは刺激に慣れてしまった現代人の反応なのかもしれません。

『デッドマン』が思い出された

本作はモノクロ映画ということで、思い出されたのはジム・ジャームッシュの世界です。『デッドマン』は1995年の作品ですが、1回見ただけでは分からない、味わい系の作品。

https://www.youtube.com/watch?v=VDyRaai3VNE

日常の緩やかな流れを、グレースケールの色彩に落とした世界で見ることで、感じるものもちがいます。カラーの時代のモノクロ作品を、また見直したいと思いました。

映画公式サイト:http://sekainookiku.jp/

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Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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