偏屈も多様性になる、『オットーという男』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!

トム・ハンクス主演の『オットーという男』(2022、マーク・フォースター監督)を観てきました。理由? トム・ハンクスだからです。私の世代だと、『フォレスト・ガンプ』の人、1990年代以降変わらない演技派。

では早速、ひと言に参りましょう。

『オットーという男』へのひと言

自助と共助の技。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でサイバー空間を見たばかりだったので、エブエブが駆け巡る時と空間とは対照的。そう思いました。

『オットーという男』で出てくるのは、200メートル四方くらいの話です。雪が降れば自宅前の雪かきをし、お向かいさんとはスープの冷めない距離。

これからは、独居の高齢者が健康に暮らせること、そして近くの他人が頼りになる。そういう世の中がやってきそうですね。劇中にはソーシャルメディアも出てきますが、何万のフォロワーより一握りのご近所さんが大事です。

エンドロールも、エブエブと比較して短かったので、小さなチームでリアルな撮影をしたんだな、と想像。映画の内容もほっこりしますが、撮影もそんな雰囲気で進んだことを想像できる作品でした。

オットーは許容範囲内

トム・ハンクスが初の悪役、なんて触れ込みだったものだから、ちょっと楽しみにしていたんですが、そこまでねじ曲がった主人公ではありませんでした。

こだわりが強いとか、曲がったことが嫌い、自分ルールがある、他人とぶつかりやすい、などは自閉スペクトラム症の方に多い兆候かと思います。むしろ、こういう人よくいるよな、という印象でした。障害への社会的理解が広がった結果だと嬉しいですが、その人をそのまま受け入れ、隣人・住民として付き合うというのが、あるべき姿かなと思います。

要介護の高齢者、外国人、同性愛者… 偏見なく受け入れるのは難しいと思われがちですが、まず隣人であることから入れば、何でもないことなんです。

リアナ・トレビーニョの好演

本作ではメキシコ移民のファミリーが、ややステレオタイプながらハートフルに描かれています。その中で、家族の母親であるリアナ・トレビーニョが素晴らしい。あったかいな〜の一言です。いい意味で、メキシコ人ってこんな感じです。このファミリーがプロレス好きなのも、メキシコあるあるですね。

クレジットを見ていた時に、何とかハンクスっていう名前が出てきたので、トム・ハンクスの家族・親戚がスタッフにいたのかなと思っていたんです。そうしたら、オットーの若き頃を演じた人(トルーマン・ハンクス)が実の息子とは!知らなかった〜。でも似ているとは思わなかったので、母親似なのかもしれないですね。

公式サイト:https://www.otto-movie.jp/

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Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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