劇中プロップに注目!『スティルウォーター』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
マット・デイモンは大好きな俳優さんなので、その理由だけで見にいきました。最近そんなんばっかりですけれども。新作の『スティルウォーター』です。
つまり、スティルウォーターが何か、監督や撮影場所、共演者などの情報はゼロです。初の父親役だったことだけは聞いていました。
では早速、ひと言です。
『スティルウォーター』へのひと言
事件の鍵には、とってもアメリカンなセンスが光る。
舞台はアメリカの田舎(オクラホマ)と、フランスの田舎(マルセイユ)。そこを行き来するのが、主人公のマット・デイモン。マット自身は東海岸出身のエリートですが、本作の主人公は肉体労働者、信心深く、海外への関心は薄い。普通に考えたら、共和党支持者です。
アメリカとフランスの違いは、言語や食習慣もありますが、アメリカ人にとって「わかりやすさ」がとても大事です。例えば、フランスのマルセイユ(南仏)にも独特な食器の模様があったり、日本であれば漆塗りの食器がある。アメリカだと、「ニューヨーク」「ラスベガス」と書かれたマグカップでしょうか。わかりやす!そんなことが関係している、とだけお伝えしておきましょう。
異文化理解の授業で、ハイコンテクスト、ローコンテクストという言葉があります。誰にでも分かるのがローコンテクスト、アメリカ文化は背景の異なる人たちの集まりであるから、ローコンテクストと言われてきました。
その意味で、映画に出てくるスポーツのシーンは、ユニフォームも色分けされていて勝敗も明確、ローコンテクストでしょう。アメフトしかり、サッカーしかり。
鑑賞後、家にある小物を改めて見直したくなりました。
終了10分前まで、謎解きが終わらない
この作品の優秀なのは、139分ある本編の最後の30分くらいで結末が出ると思いきや、ラスト10分まで引っ張ったことです!観るもののアドレナリン出まくり!
予告編を見た時、「娘のために戦う父」を出し、ヒューマンドラマ的に売っている気がして、少し残念でした…。この映画は、理性を超えたところにありますし、登場人物全員が心の闇というか、わずかな狂気を持っています。
助演キャストは秀逸
主人公のマット以外に、マットの娘(アビゲイル・ブレスリン)、フランスでマットを手助けする女性(カミーユ・コッタン)、小学生の娘(リル・シャウバウ)と、主だった助演は全て女性ですね。カミーユ・コッタンはフランスの女優ですが、なんと『ハウス・オブ・グッチ』にも出演していました。アダムの恋人として!
リル・シャウバウはイタリアの子役で、マットとのやり取りはまるで『レオン』。あれもフランス映画だったな、と思い出しました。
ひげ面のマットは、イケてない
最後、スミマセン。マットが150分の中でどこかでイケメンマットになるかと期待していましたが、残念ながらダメでした。鍛えた肉体美は、確認いただけます。
アメリカだとひげは男性の象徴としてプラスの印象。ファッションカタログを見ても、ひげ男子多し。
マット・デイモンが、この役を演じたところがあっぱれであり、『スティルウォーター』で見せた新境地が好きだ!