大坂なおみさんが体現したこれからの生き方

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こんにちは、Junkoです!

東京オリンピックは、開催反対の声も多かったですが、「無観客で初開催する大会」として、できない諦めよりもどうやったらできるかを考える、という前向きな理由とともに、開催が語られています。

開催すると決めた理由があったのだから、実行されたということですが、私の中では盛り上がりに欠け、開会式のパフォーマンスや聖火ランナーに、気持ちが向いていませんでした。

開会式は7月23日、午後8時からということは知っていましたが、4時間ということも知らず、私は就寝。最終聖火ランナーが女子テニスの大坂なおみ選手だったことを後から知り、誇らしく思いました。その選択には心から拍手を送ります。

なぜなおみさんか?なおみさんが、どうこれからの時代を映しているか?について書いてみたい。テニスに関するエピソード詳細は、多少間違っているかもしれませんが、ご容赦ください。

強さと弱さの共存

大坂なおみさんは本当に強いし、ますます強くなっています。だからこそ勝者の貫禄、トップの迫力などもついてきたように思います。

しかしその前は、「セリーナの一ファン」の大坂なおみさんもいました。2018年の全米オープン、セリーナ・ウィリアムズ選手に結果的に勝ち、会場からのブーイングを浴びながら、表情も曇っていたなおみさん。この状況に困惑しながら、それを隠さない。等身大の彼女がいました。

どんな選手も、トップになるためにはその過程を辿ります。コツコツ上る人もいれば、一気に上ることになる人も。そして、どうしてもトップには堂々とした態度や、王者の振る舞いを期待するオーディエンスの私たちがいます。

なおみさんの振る舞いは、日本人的、頼りない、あいまい、などと評する海外メディアもありました。しかし、そこで飾らなかったこと、どんなに居心地が悪くてもあそこに立っていただけで相当な勇気、素晴らしいと思います。

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日本人、アジア人、ブラック

なおみさんは、ハイチ人のお父様と日本人のお母様の元に生まれ、アメリカで暮らしていたことから二重国籍(dual citizenship)を持っていました。日本では一つしか国籍を持てない法律があり、22歳で日本国籍を選択したと聞きます。

なおみさんは日本を代表するテニス選手ですし、アメリカの文脈で見るならば有色人種、アジアとブラック(カリビアン)というマイノリティ2グループを個人に内包していると言えます。

タイガー・ウッズ選手もお母様がタイ人ですね。これまでハーフの議論もありましたが、本来は「両方から応援される存在」だと思います。

そして2020年、ジョージ・フロイトさんが警察官の手により死亡した事件を受け、Black Lives Matter運動が起こりましたが、なおみさんは試合会場に入る時の黒いマスクで、一人一人を追悼し、人種差別に抗議しました。彼女のようなスター選手がこの行為をすることで、被害者の家族、友人をどれだけ勇気づけたか、と思うと、なおみさんの信念と、媚びない強さが、伺えます。

自分の心の声を聴く

一番最近のエピソードとしては、2021年6月の全仏オープンを棄権したことがありました。試合後の会見を拒否したことから始まります。これも先ほどの強さと弱さの話につながりますが、テニスが強いからと言って、話が上手、気の利いたことを言う、メディアが期待するようなコメントが出せる、とは限りません。私たちの知らない事実として、いかに選手が会見によるプレッシャーを受けているかというのも世に伝わりましたし、会見をしなければいけないのか?という疑問を投げかけた意味でも、大きかったと思います。

このことで、選手たちの心の健康にも、注目が集まりました。選手としての強さだけでない面をさらす、これはなかなかできないことです。それを出すことが、今の時代に生きるということだとも思います。

大坂なおみ選手の生き方、これからも応援します!

大坂なおみ選手 公式サイト(日本語) https://www.naomiosaka.jp/

公式サイト(英語)https://www.naomiosaka.com/

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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