アルコールフリーのフリーは自由なの?

こんにちは、Junkoです!

最近お酒を出せない飲食店では、アルコールフリーの飲み物を提供しています。ノンアルコールビールを始め、梅酒やワインなど、あえてアルコールフリーで作ってくださる意外性があり、試してみたくなります。アルコールフリーは、アルコール成分が入っていない、ということですね。食べものに少し詳しい方だと、グルテンフリー(小麦に由来するグルテンが入っていない)のパンやピザなども、見かけるかと思います。

次に、フリースペースはどうでしょうか。自由な空間ということで、自由に使える、目的は問わず好きに使っていい、という場所のことかと。「自由」という訳がぴったりです。どちらかと言えば、前向き表現というか。

では、スモークフリーはどうでしょうか。こちら、私はとても迷いました。スモークは煙なので、タバコだと想像できますが、タバコを自由に吸えるところ (free to smoke)、それともタバコがない(吸ってはいけない)ところ? 答えは後者です。a smoke-free building(全館禁煙)のように使います。

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Miriam Webster の辞書によると、free は少なくとも15の意味がありました。以下、1から5までを引用しておきます。

1: not costing or charging anything

2a: having the legal and political rights of a citizen
b: enjoying civil and political liberty
c: enjoying political independence or freedom from outside domination
d: enjoying personal freedom : not subject to the control or domination of another

3a: not determined by anything beyond its own nature or being : choosing or capable of choosing for itself
b: determined by the choice of the actor or performer
c: made, done, or given voluntarily or spontaneously

4a: relieved from or lacking something and especially something unpleasant or burdensome
b: not bound, confined, or detained by force

5a: having no trade restrictions
b: not subject to government regulation
c of foreign exchange : not subject to restriction or official control

https://www.merriam-webster.com/dictionary/free

一つ目は、(きっとみんなが大好きな)「無料」のフリーですね!フリーペーパー(和製英語)で意味するところの、フリーです。アメリカではよく、イベントに「フリーフード」と添えられており、お金のない学生はつられて行ってしまうなんてことがありました。あとは、フリーリフィル(free refills)もよく使われますが、おかわり無料/おかわり自由、炭酸飲料のマシーンでコーラやジュースを何杯おかわりしてもよい、つまり「ご自由に」というフリーです。

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2番目と3番目が、「自由」という意味です。2番目の例文には、奴隷制度が敷かれていた頃、アフリカ系アメリカ人の先祖の多くは自由の身ではなかった、という感じで、権利としての自由、政治的自由、の意味で使っているよう。3番目はもう少しゆるく、「自発的意思」を感じる自由です。

難しかったスモークフリーは、4番目のフリーで、「解放される」もしくは「欠如している」の意味。例文で、free from pain (苦痛からの解放)とあり、活用例として error-free (エラーがない=正確)のように形容詞的に使うこともある、とあります。

5番目は、duty-free(免税)や free competition(自由競争)など、貿易や政府の枠組みから離れていることという意味でした。

Photo by Julian Jagtenberg from Pexels

スモークフリーのように名詞+フリーの単語でバリアフリーがありますが、こちらは和製英語でした! 日本語でのバリアは段差などを指し、それが「ない」という意味ではフリーの正しい使い方です。しかし、肝心のバリアが「障壁」を意味するため、え、何の障壁?となり通じないのです。英語では accessible (アクセスできる、自由に行ける)という形容詞で表現されています。

自由、いい言葉ですね。自由が大好きだ! 自由ラブ!

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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