ますますファンが増えるヒグチユウコさんの展示

世田谷文学館「ヒグチユウコ展 CIRCUS」へ、足を運びました。

骨太な世田谷文学館

世田谷文学館は、少なくとも過去に2回、ガラスの仮面展と、浦沢直樹展で来たことがあります。

美内すずえと『ガラスの仮面』展(2007)

浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる(2016)

世田谷区を文化の発信地とする構想の一環で1995年設立、現在は公益財団法人が運営しており、過去にも、他ではできないようなユニークな展示をしています。

世田谷区内にあることは自明ですが、京王線の「芦花公園」(ろかこうえん)はややマイナーな駅ですね。各駅停車しか止まりません。

駅の南口をまっすぐ、徒歩5分くらいで武家屋敷チックな塀を左手に、ポケットパークを右手に進むと、その先に世田谷文学館があります。

客層に特徴あり

どうも、この駅からの道を歩いているところから、女性1人もしくは2人組が多いことに気づきました。しかも、ロングスカート、フラットシューズの人ばかり。ベレー帽や丸いフレームのメガネなどの小物も、とんがらないオシャレです。

雑誌『リンネル』の世界に住んでいる、北欧ナチュラルテイストが好きそうな人たちで溢れています。

会場で家族連れにも会いましたが、絵本を読んでいるからか、パパ、ママ、小さなお子さんで来場されています。ママはかなりの確率でポンポンのついたニットキャップを、室内でもかぶってます。

Photo by Dương Nhân from Pexels

ヒグチユウコさんについて

ヒグチさんは「在学中の1999年より個展…」という情報からすると、今アラフォーの方でしょうか。2014年に絵本「ふたりのねこ」を出した頃から一般に知られるようになり、資生堂マジョリカマジョルカとのコラボもこの辺りのようです。

売れっ子はうらやましい気もしますし、売れるもの、クライアントの望むものとの葛藤があるのかは知る由もありません。

精密なタッチは『不思議な国のアリス』の挿絵で知られるジョン・テニエルの作風にも似ているように思えますし、少女のいるような絵はANNA SUIの世界とも似ています。

会場から漏れ聞く声は、一様に「かわいい」。私は、ヒグチさんの魅力は「おどろかわいい」「こわかわいい」「シュール」かと思っていますが、そのすべてが「かわいい」に集約されているのかもしれません。

ギュスターブくんというキャラクターは、顔が猫、手がウミヘビ、足がタコ。本来「かわいい」からは対極にいるはずです。

絵本は、子どもは子どもで、大人は大人で、楽しめる内容のように思います。

大人女子には、ひとつめちゃんの人気も高かったです。

ヒグチユウコさんは、絶対に無意識とつながっているアーティストだと思います。でないと、鳥が大きな涙をこぼしたり、草木の根っこに猫が宿ったり、木に魚がまるまる吊るしてあったり、できません。

展示所要時間

来場者は一様に穏やかですが、一様にマイペースです。

展示の列が動かない!人が滞留している!

1時間で見られる展示内容に、2時間かかったのは、この待ち時間によるものでした。

残念ながら、ミュージアムショップも相当の混雑です。休日の14:30頃来館し、17:00のショップ入場整理券を受け取りました。展示に2時間かかったため16:30を回ったものの、ショップ内でもレジを待つ人の列で、20人待ちくらいの様子。あっさり諦めました。

すでに売り切れのグッズも多く、今後全国を巡回するのに追加発注をかけるのか気になります。ポストカードくらいは気軽に買えると嬉しいのですが。こういう時こそセルフレジ?

お時間がない方は、 気晴らしにガチャガチャ(1回500円)はいかがですか?

入場料800円でたっぷり楽しめました。東京では3月31日まで。あっという間なので、お見逃しなきよう。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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