プロデューサーに注目するようになった理由

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東京フィルメックスという、ずいぶん長い間お世話になっている国際映画祭がある。期間中に、「タレンツ・トーキョー」と言って、若手育成のプログラムも並走している。

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FILMeX 2015オープニングでは園̪子温監督の『ひそひそ星』が上映された

「タレンツ・トーキョー」はワークショップ形式で、現役の監督・プロデューサーと一緒に数日間を過ごし、レクチャーを受けたり、映画を観たり、自分の企画を相談することができる。プログラムに関わる中で、あるプロデューサーの話を聞けたことが、私にとってとても参考になった。例えばこんなことだ。

「どの映画祭に出すかを決めてから、逆算して映画を作る」

三大映画祭であるカンヌ、ベネチア、ベルリンの他に、サンダンス、トロント、釜山など世界各地で映画祭が行われる。新人ならどの映画祭のどの部門に勝機があるか、いつから募集されるのか、その研究なくして、これらの競争を勝ち抜くことはできない。

「映画祭ディレクターの好みを知る」

映画祭ディレクターは、いわば映画の目利き、作品の鑑定人だ。映画祭のテイストは大事だが、映画を選ぶ個人のテイストも知っておく必要がある。この人がイエスと言わなければ、作品も日の目を見ることがない。

「直接会いなさい」

著名な監督であっても、無条件で作品がかかるほど甘い世界ではない。アポを取って、試写をし、一緒に食事をする。なんだか接待のようにも聞こえるが、作品の価値とこちらの熱意を伝える場だ。情報収集としても役立つはずだ。

これらのことを、監督だけでは成し遂げられず、むしろ監督は作品作りに専念したい。自分のために敏腕プロデューサーを見つけたいところだ。プロデューサーは「お金を取ってきて管理する人」というイメージがあるが、監督という一つの才能をどのようにプロデュースしたらよりインパクトがあるか、という視点で、ビジネスセンスとコミュニケーション力が必要とされる、欠かせない存在だ。

映画を観る時には、そのまま監督の世界に入り込むが、その作品が公開されるには、プロデューサーの力が大きい、そう感じている。