シンガーソングライター それぞれの魅力と言霊
歌謡曲の時代にはなかった、シンガーソングライターと言う言葉。当時は、作詞家がいて、作曲家がいて、歌手(多くはアイドル)が歌うという分業。例えば、山口百恵さんの「プレイバック Part2」は、阿木燿子氏作詞、宇崎竜童氏作曲によるもの(ご夫婦です)。チェッカーズ初期の楽曲は売野雅勇氏の歌詞、芹澤廣明氏の作曲で世に出された。
私の記憶では、藤井フミヤさん、奥田民生さんあたりからシンガーとソングライターが同一人物になり始めたが、それをずっとずっと前からしている人が桑田佳祐さんだろう。私は特に桑田さんの歌詞が好きで、それは“特別な瞬間”でなく、“普段の気持ち”が歌になるからだ。
見つめ合うと素直にお喋り出来ない (TSUNAMI)
クーッ、よくある思いをこんなに普通の歌詞に乗せたサビ、すごくないですか?
もう少しポエティックで好きなのが、CHAGE & ASKA のASKAさんが作詞作曲された名曲。こちらはサビではないですが、
君に逢いたくて 逢えなくて 寂しい夜
星の屋根に守られて 恋人の切なさ知った(SAY YES)
星の屋根っていうのがとてつもなくいいから、いつもここで泣きそうになります。
奥田民生さんは、ゆるゆるの歌詞も多いのに、ファンの間でバラードが大人気。この曲は投票でも1、2位を争っている。
あなたと僕がもし一つになれたなら
若草色をした りっぱな家建てましょうね (手紙)
なぜかわからないけれど若草色に魅かれる。「股旅」に入っています。
それぞれの得意とするテーマや色合いで歌詞が生まれ、のびやかな声に乗せて歌われると、ますます惚れてしまいますな。