20年先の多様性を行く『ラブ・アクチュアリー』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!

年の瀬、新作も目白押しですが、なかなか時間が合わず映画館に足を運べていません。そこで今日は旧作のクリスマス映画、『ラブ・アクチュアリー』(2003)について書きたいと思います。監督はリチャード・カーティス。

ヒュー・グラント含め総勢20人以上のスターが連なります。それだけでイギリスの役者の層の厚さを感じられて嬉しいし、20年後の今見てもほっこりします。

ラブ・アクチュアリー』へのひと言

イギリスの多様性が進んでいることが分かる一作!

『ラブ・アクチュアリー』というタイトルですから、愛の話です。意味は後述します。作品を観ると分かるのですが、同じオフィスの上司と部下、友人間、同性同士、様々な愛の形があります。

小学生の男子は、ブラックの女子に惚れ込みます。ゲイの人もいれば、雇ったハウスキーパーであるポルトガル人に恋をして言葉を習う人もいます。一国のトップは独身で、太っていることをバカにされ続けている女性に、恋をします。どれもスパイスが効いていて、めっちゃ素敵!

登場人物の何人かは同じ場所に居合わせるなど、脚本もよくできているのですが、「愛」のかたちをここまで豊かに、多様に描いた発想が、やはり進んでいると言わざるを得ません。

もちろん2001年のテロの最中に撮影をしていた作品とのことで、

ラブ・アクチュアリー』の意味

タイトルは、最初の方に意味が分かるのですが、”Love Actually Is All Around”に由来します。”Love Is All Around”という1967年のヒット曲があるのですが、そこにActually (実際)を入れて、「愛は実際あちこちに溢れている」の意味ですね。個人的には、イギリス人はよくactuallyを言う印象もあるかな。

作品はクリスマスの1か月〜1週間前を撮っているので、独特のソワソワ感があります。日本だとクリスマス後の仕事終わりとか大晦日の1週間でしょうか。家族で過ごすために移動したり、お正月用の贈答品を買ったりして、近しい人と過ごしますよね。クリスマスを祝う国々では、やはりクリスマスは家族で過ごすものなので、この時期にひとり者はかわいそう、そんなイメージも付きまといます。

首相のオフショット!

ヒュー・グラントが首相役なのですが、この首相が小躍りするシーン、可愛いです。中年男性が、Yシャツがパンツから出そうになりながら、官邸で踊る。ヒュー・グラントご本人はこのシーンを好まなかったようですが(出典)、彼だからできるチャーミングな仕上がりです。ヒュー・グラント、コメディに向いているんですよね。

この映画が愛らしいと思うのは、人に見せていない姿を撮っているからです。この小躍りのように、人間はみんなカッコつけて、クールに振る舞って、一歩外でガッツポーズをしていたりします。その両方を見ている私たちですから、登場人物にとても親しみを持ちます。

90年代のモデルさんも出てきますが、ブラジルの俳優ロドリゴ・サントロも目の保養になるでしょう。

何か高尚なメッセージというよりは、大衆ウケする映画だという形容も正しいですが、それ以上に脚本がよく役者がいいからこそ、人間の本質を捉えている。今見てもいいなと思える作品でした。

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Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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