王家衛

非力で艶やかなレスリーが彷徨う…『ブエノスアイレス』

『ブエノスアイレス』という映画を語るには、王家衛監督について語りたいし、レスリー・チャンについて語りたいし、トニー・レオンについて語りたくなる。 この作品は、今から20年以上も前の1997年、まだ社会的マイノリティの度合いが強かった時代のゲイ映画。しかも香港からみて地球の裏側が舞台であり、アウェイ感ハンパない。アジア人いない、言葉が通じない。しかし仕事といえば、中国系の観光客相手、そして中華料理店 […]

撮影監督と言えば、クリストファー・ドイル

私は映画を見るとき、①監督で決める、②俳優で決める、③人のおススメで決める、のいずれかだ。 ①で言えば王家衛監督がその一人だが、王監督の作品でお馴染みの撮影監督が、クリストファー・ドイル氏だ。今思えば写真家の蜷川実花さんに少し近いとも思うが、デジタル本格到来前に、香港の街を肉眼よりも鮮やかに美しく、独特のセンスで切り取った人、と認識している。『欲望の翼』『恋する惑星』『天使の涙』など、1990年代 […]