ダイヤルって何だ? 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』、シリーズへのリスペクトを込めて観にいきました。Chat GPTでもおすすめされたので、600円プラスのIMAX画面で。

意識していませんでしたが、5作目なんですね。アメリカでは「インディアナ・ジョーンズ」と言いますが、”Indiana Jones 5″と検索されています。

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』へのひと言

1980年代映画がクロス!

ネタバレしないように言いますと、1980年代にもう一本、一世風靡したあの映画がありました。それとクロスしてません?? たくさんあるから分からないと思いますが。

人間として普遍の問いかもしれませんし、映画としては古典かもしれない。そして考古学者インディー本人にとっても素敵な設定だったと思います。

もう一歩進めると、今回のテーマは「運命のダイヤル」(the Dial of Destiny)でした。カタカナだとダイアルの方が近いかもしれません。ダイヤルとは、一般的には文字盤で、時計や羅針盤をイメージできるでしょうか。旧式の固定電話ではダイヤルを回すことで番号を入力していました。

Photo by Andrea Piacquadio

運命のダイヤルなんて、シンプルかつ詩的な表現だと思います。このダイヤルがどう主要なモチーフになっているかは、ぜひ本作をご覧ください。

悪者にしてもいいのは?

2020年代、世界はD&Iの時代であり、特定の誰かを人種や容姿を理由に悪者にできない。

そして、世界の特定の地域では戦争が起きている。

インディが対立すべき悪者は誰になるのか?というのは、興味津々です。

今回は、1969年の設定で、大学教授を引退したタイミングのインディが、元ナチスで、大戦中の過ちを正したい人たち(見方によってはいい人たち)と戦います。

この悪者問題は奥が深く、映画史的には見た目のちがう人、国籍のちがう人が悪者になってきました。ハリウッド映画にとってはアジア人だった時もありますし、冷戦中はソ連(ロシア)、一時は宇宙人だったこともあります。

ヒーローは悪に対して戦う必要があるので、何が悪かを見ていく冷静さも必要かな、と思っています。今回元ナチスを演じたのはデンマーク人のマッツ・ミケルセンですが、私からしたら100%ドイツ人でした。ただ、日本人役を中国人や韓国人が演じたら、あれ、と思うこともあるかもしれませんね。今回は元ナチスということで、ドイツ人が演じるにはハードルが高いという配慮もあったと思います。が『ジョジョ・ラビット』でヒトラー役を演じたのも、タイカ・ワイティティ監督(ニュージーランド人)でした。

この人は誰?

今回の映画でおぉっ!と思った人物を3人ご紹介します。

アントニオ・バンデラスさん… スペインの俳優さんです。ギリシャでの漁師の役でした。今回ノーマークだったのでスクリーンで拝めて嬉しかったのですが、これもD&Iの影響かなと思いました。日本人でも渡辺謙さん、真田広之さん級の俳優さんがいますが、これからもっと幅広い人材が活躍してくれることを期待しています。

バンデラスを最近観られた作品は、こちら。


戸田奈津子さん… 戸田さんのご活躍をご存知ない方も多くなったかもしれませんが、ハリソン・フォードと同じ歳くらいの字幕翻訳者が戸田奈津子さんです。1980年代の主要作品はすべてと言っていいほど戸田さんが担当されていたのではないかと思います。本作でも、字幕担当者として戸田奈津子さんのお名前が刻まれていました。これもご本人へのプレゼントでしょう。作品とともに歳を重ねるのは、素晴らしいことですね。

Eriko Nakamuraさん… 私はエンドクレジットに日本ルーツのお名前を探すのが好きなのですが、今回はエリコ・ナカムラさんのお名前が際立っていました。


The Filmmaker wishes to express his gratitude to ERIKO NAKAMURA for Wisdom and Creative Counsel
(映画制作者は、知恵と創造的助言を与えてくれたナカムラエリコ氏に感謝の意を表したい。)

https://assets.gettyimages.com/bf-boulder-whitelabelbucket-getty-prod/24tbx4n444gqq4sv6xfqqxrw/v/1103901587/original/INDIANAJONESPRESSKIT.pdf

ここにあるヒントは、the filmmaker というところなのですが、単数で書かれているので、制作集団やプロデューサー陣というよりは監督であることが予想できます。本作品の監督はジェームズ・マンゴールド。2002年の『17のカルテ』なんか衝撃的でした。

ジェームズ・マンゴールド監督の前作は、『フォードvsフェラーリ』(2019)なのですが、この時もエリコ・ナカムラさんのお名前があったので、監督の右腕的存在なのかなと想像しています。こちらでは “the producers wish to thank” とあり、プロデューサー陣の中にジェームズ・マンゴールド監督のお名前がありました。

フランスに住む元アナウンサーの中村江里子さんとは、無関係であると私は考えています。

最後に、ハリソン・フォードほか、ハリウッド映画に勢いがあった時代を生きた俳優さんが、こうやってスクリーンに戻ってきてくれたことが、大変嬉しかったです。ありがとうございました!

映画公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/indianajones-dial

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Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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