芸人先生2 特別編 はなわが、自虐の要素で岡山をアピール!

今回も特別編の続き、 岡山県の企業12社が集まりました。 2003年に佐賀県を自虐的に歌った『佐賀県』が大ヒット、 芸歴24年のピン芸人 はなわさんが講師です。もうそんなに昔か、と少し驚きましたが、この歌で「松雪泰子も佐賀 公表してねえ」というくだりが好き。

最近の話では、はなわさんは映画『翔んだ埼玉』で『埼玉県のうた』を担当されています。 地方ソングの名手と呼ばれるはなわさんも、さすがに緊張されているよう。「芸人先生」に出演される芸人の皆さん、一様に緊張されますね。「芸人先生」 特別編 IN 岡山「はなわの“自虐は愛される!”講座」(2019年7月29日放送分)をお届けします。

「岡山にもっと人が来るには?」

はなわさん、ギターを片手に、鬼の角のようなヘアスタイルがトレードマークで入場です。歌で和やかに自己紹介をします。

さっそく、「岡山県をどう思っているの?」と会場の皆さんに質問。「通過点になっている。スルーして広島や四国などお隣の県に行く」「アーティストのライブも広島や兵庫になってしまう」。事前のアンケートでも「イベントがあっても集客が上手でない」「インバウンドの恩恵を享受しきれていない」などがありました。では、どうしたらよいでしょう?

Photo by Artem Beliaikin from Pexels

はなわさん、リサーチの結果を共有します。「岡山県と佐賀県はそっくり!」なのだそうです。生徒に「嫌がっていますけど大丈夫ですか?」(笑)といじります。

都道府県魅力度ランキングで、福岡8位、長崎10位に対して、挟まれた佐賀は44位。これがはなわさんの抱えるコンプレックスです。そして兵庫12位、広島17位、この2県に挟まれた岡山が34位。地理的には不利でも、これがネタに使えるという発想につなげたはなわさん、素晴らしいですね。

自虐はセールスポイントの裏返し

『佐賀県』と言う歌も、『埼玉県のうた』も、ちょっとディスっているのは事実だが、いいところを自慢すると刺さらない、それどころかどんどんハードルが上がると言います。それよりも、自虐の方がよいとのこと。

自虐は寂しい言葉で、けなしているようでだが、しっかりアピールしているのです。例えば『埼玉県のうた』に入っている歌詞からも、「深谷レンガってすごいんだ」「アジア一の団地があるんだ」「快晴日数は日本一なんだ」と、きちんと視聴者にはインプットされていきます。

岡山はどうでしょうか。「フルーツ王国と言いつつ、生産量が1位ではない」「桃太郎像がライトアップされるが、桃が浮かび上がるように見え、桃太郎自体が見えない」。この時点で見に行きたくなっていますね。

2003年の歌のヒットで、はなわさんは観光客増に貢献したとして、県からも表彰を受けたそうです。新聞の見出しでも「はなわのお陰?」1年で35万人増とのことでした。自虐で寂しいだけならば、観光客増にはなりません。やはり自虐は一定の効果があるのです。

ビジネスの例では、自虐CMが話題になった「日本一、心の距離が遠いサファリパーク」(姫路)が紹介されました。ビジュアルでは、園長や動物が寂しそうな顔。すごく遠いと思われていたことをネタにしました。2019年5月と、比較的新しい事例です。

(c) 姫路セントラルパーク

近くて便利で、大阪から1時間くらいで行けるのに、3時間くらいかかると思われていたそうです。陰で言われている悪口も、相手側が公認してしまえば悪口ではなくなるので、あえて訂正しないのがミソのようです。

実際に行ってみたいと思わせる

今はSNSで呟けるのが大きいですね。『佐賀県』の「バスに乗って佐賀のの県道を走ると 一面田んぼだらけ まるで弥生時代」という歌詞に対して、ツイッターで「はなわの歌詞の通りじゃん」と呟きがあるそうです。弥生時代の風景なんてタイムマシンがないと見られないから、見たくなりますね。

はなわさんは「来て・見て・確かめて!」と言います。授業の中では、1万円する手作りの「撫川(なつかわ)うちわ」、笠岡市の「シャコ丼」(シャコを揚げて卵とじした、丼もの)、そして倉敷市の「デニムまん」(青い皮の肉まん)が紹介されました。

Photo by Engin Akyurt from Pexels

愛されポイントをキャッチコピーにしよう

後半は実践講義です。自社の商品、サービスに愛されポイント( ちょっと残念なところ )のあるキャッチコピーを考えます。皆さんいい感じですね。

  • ホームページ制作会社なのに、自社のホームページが更新されていない(お客様の制作で、忙しいことが伝わる)
  • かりんとうドーナツ(黒糖)がうんぴーに見えるが、しっとりして美味しい
  • サーカス団。一流アーティストだが「たまに落ちます」これは見たくなります!

はなわさんより、即興ソングプレゼント!

控室で15分で作成。スゴイ~。

岡山県の歌~OK岡山~

岡山ってどこにあるのかわからないけど
ほどよく都会さ 岡山
岡山県人はみんな 真面目で節約家
悪い言い方をしちゃえば かなりのドケチ
一円単位まで割り勘 そもそも桃太郎も
ほうびにくれたのきびだんごだけ
だけどすばらしいものもあるのさ
撫川うちわにシャコ丼 かりんとうドーナツ
かりんとうドーナツは 見た目がほにゃらら
フルーツ王国だけど 生産量1位じゃねえ
人気アーティストは 誰も来ない
有名サーカスは たまに落ちる
そんな岡山が みんな大好きさ
OK岡山 OK岡山 OK岡山 OK岡山(繰り返し)
僕らの晴れの国 岡山 みんな大好きさ
だけど きょうは雨

Photo by Skitterphoto from Pexels

NHKに地方ロケをお願いした岡山市役所さん、よいお土産を手にしましたね!

生徒さんの感想は「岡山をますます好きになった」「長年住んでいる岡山を再発見した」と、好評のようでした。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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