誰にでもある癖(へき)との付き合い方、『ベイビーガール』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!

今日は旧作といっても、旧作ホヤホヤ。ニコール・キッドマン主演の『ベイビーガール』(2024、ハリナ・ライン監督)を観ました。公開中は、ニコール・キッドマンが若い男性に手懐けられる様子が見ものだったかと思いますが、本編はいかに。

『ベイビーガール』へのひと言

「屈辱」をお金で買う。

本作のニコール・キッドマンはニューヨークのあるIT企業のCEO、ロミー。いつも華やかに忙しく生活しています。

そのロミーが、若いインターンの男性に翻弄される、というのがストーリーなのですが、なぜかはよく分からない。でも、最後に彼女が言うセリフに、上のような言葉がありました。

CEOのように、毎日時間に追われ、判断に迫られる立場なら、逃げてしまいたいと思うことも多いでしょう。その日常からの逃げ場として、性的ファンタジーがありました。ここでは、相手の言いなりになること、辱められることが快感となります。

このロミーと言う名前は、「コミューンで名付けられた」と本人が言うように、小さい頃は知らない人が周りにいるようなカルト集団で育ったようです。そのことが自分の育ちに影響していると信じているロミーは、この妄想癖も、自分の生い立ちに関連づけようとします。

「辱められたい」と思う人もいれば、「辱めたい」と思う人もいるので、二人の合意が取れれば成立することもあります。ただ、CEOのように立場ある人は、結局そこに落としどころがあったか!という感じです。コンプライアンスの厳しい世の中、お金で解決!となってしまいました。

カルバン・クラインのお兄さん、だーれだ?

ヒロインを惑わせる役として、会社のインターンに入ってきたのがサミュエル(ハリス・ディキンソン)。長身で少し背をかがませるような仕草は、まるでカルバン・クラインの「お兄さん」みたいな風貌! 結局モデル級の上腕ムキムキなルックスが際立ったわけですが、この作品はニコールが主役なので、主役を超えない匿名性の存在感がちょうどよかったです。

ハリス・ディキンソンは『逆転のトライアングル』に出ていた時も、役柄がよくはまっていました。どんな役にもなれるタイプではないかと思います。

白髭バンデラスとボトックス・キッドマンの豪華夫婦

そして本作の隠れた宝石的な存在が、白髭のアントニオ・バンデラス。ティーンエイジャーのお父さんなので、年相応の役でした。英語はそれほど上達しておらず、でも前より素敵かも。キッドマンは劇中でも顔に若返り注射を打っていて、アンチエイジングに磨きがかかっている。バンデラスは老いてなお美しかったです。

ここに、ハリウッドの美の基準がありますね。

https://twitter.com/letterboxd/status/1832481518662344792

バンデラス、まだパフュームのCMに出るって、やりますなぁ。

今日はこの辺で。

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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