映画オタクのもう一つの才能…『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
タランティーノ監督の作品は本ブログでも紹介していますが、同世代に生きて幸せだと思える監督さんのお一人です。『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』(2019)は、そんな監督を追ったタラ・ウッド監督のドキュメンタリー作品です。
ドキュメンタリーと言っても、タランティーノ賛美の作品。その辺りは引き算して見るとしても、いかに彼が愛されキャラかが分かる作品でした。
ひと言、行ってみましょう。
『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』へのひと言
人と丁寧に接するオタク。
タランティーノ監督が映画オタクなのは、周知の事実です。子どもの頃黒人ヒーローものを観に行ったというような件もあれば、レンタルビデオ屋さんに働いていた頃の話もあって、とにかく浴びるように観ていたことが、作品づくりのベースになっています。
だから映画の話をすると止まらないし、映画はどれも平等に愛を注いでいる。そこは、一目置かれています。
もう一つ、タランティーノ監督の特徴は、ピープル・ファースト、つまり人との関係を大切に、スタッフやキャストを大切にする。ここが、彼のもう一つの才能です。オタクはモノに傾倒するけれども、人付き合いが苦手な人も多い。2次元に入れ込んで3次元を避ける人もいる。タランティーノはちがいます。彼には何十年と一緒に働いているスタッフがいて、映画を抜きにしても人としての信頼関係ができている。それが、彼を唯一無二にしている感じがします。
現場では「スマホ禁止」のルール。会話が生まれますね、素晴らしい。それを喜んでやるのが、タランティーノ・ファミリーなのだと。
あと1作になってしまった
10作監督したら終わり、と公言しているタランティーノ監督ですが、もう9作発表しているのです。
『レザボア・ドッグス』(1992)
『パルプ・フィクション』(1994)
『ジャッキー・ブラウン』(1997)
『キル・ビル』『キル・ビル Vol.2』(2003/2004)
『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)
『イングロリアス・バスターズ』(2009)
『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)
『ヘイトフル・エイト』(2015)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)
このドキュメンタリーの原題は、”QT8: The First Eight”で、2019年には9作目発表前でしたかね。このオタクが突き進んだ結果がこれら8作、彼を鬼才と呼ばしめた作品の数々です。
このドキュメンタリーでは、それぞれの作品を作る上での秘話が公開される、これが醍醐味かなと思います。1992年から2−4年に1本のペースで制作されているようですが、次回が最終作? だとしたら心して観たいですね。
オタクには偏見がない
タランティーノ監督のファンには、人種や性別による垣根がありません。これはすごいことです。映画が好きすぎて、通常はマイノリティとして扱われる黒人や女性を何の迷いもなく主人公にする。そして、その主人公に敬意を示しているのが、演者にも伝わります。
映画という括りにおいてすべて平等。私もあなたも映画の子。そういう感じがひしひしと伝わってきて、キャスト、スタッフ、観客を魅了していくんですね。
何か大きなことをなし得る人は、私利私欲を超えて、成し遂げたい世界がある。そして、「好き」というピュアな原動力がある。映画界において、クエンティン・タランティーノ監督は宝ですね。
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