「武士の娘」に気づいてほしい、心の法則
松坂慶子さんの、朝ドラ「まんぷく」での好演が話題になっています。
ヒロイン福子の母親で、口ぐせは「私は武士の娘」、武士の家系に生まれたことを誇りに思っています。
ここのところ、このお母さんのいじけぶりが度を増しています。
福子の夫、萬平さんが仕事に夢中で、お母さんが話しかけても気づかなかったのに、従業員の呼びかけには答えたことに、腹を立てます。
「私は無視して」「私が声をかけても答えなかったのに」
映像も見ましたが、明らかに萬平さんにはお母さんが目に入っていないです。萬平さんは「は?」とチンプンカンプンです。
考え方のクセについてみるUMI(ユー・エム・アイ)的に見ると、被害者意識は自分の本当の感情を直視することを避け、可哀そうな自分を作っている、自己防衛の現れです。
例えば、「私は大切にされていない」と思うと、ますます自分がそう感じるような事実を引き寄せることになります。
UMIでは、できるだけ客観的に物事を見ようとします。この場合、萬平さんがお母さんの呼びかけに気づいていないだけで、無視したわけではありません。
別のシーンでは、妊婦の福子に「無理をするな」「体を大事にしてくれよ」と気遣う萬平さんに、お母さんは激怒。「私が全部やらないといけないってことやない!」
これも、「私が全部やらないといけない」ということとは限りません。いろいろな方法があるはずです。それに、萬平さんは夫として妻に優しいのであって、お母さんは義理の息子に優しさを求めても満たされることはありません。
もし「武士の娘であること」が本当に大事だったら、それを他人との比較において使うのではなく、自分自身で感謝する、自分を満たすことが出来たら、それで十分なのです。そんな筋の通ったお母さんを、周りは尊敬するでしょう。
ヒロイン福ちゃんがニコニコしていると、夫も元気、周りもハッピー、という環境はとても頷けます。だから、お母さんにも幸せになってほしい、そんな気持ちで見ています。