トム・ダッシュだけで価値あり『M:I 6』

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

tomcruisemi6poster

MI6撮影時、御年55歳か。トム・クルーズのすごさを拝みに行く価値のある映画。トムにスクリーンで会えたなら、どんなにあのBGMのパーカッションで煽られようとも、無意味にヘリコプターを使ったシーンが続こうとも、気にならない。

一番の見どころは、トムの100メートルダッシュ。私は「トップ・ガン」世代でもあるので、映画を見始めたころからトム・クルーズと一緒に歳を重ね、人間だれしもそうであるように、体力の衰えも感じている。だからこそ、100メートルダッシュするトムをそれだけでリスペクト!!

走ると言えば、「あぶない刑事」。舘ひろしさん、柴田恭兵さんがいつも疾走していた。「さらば あぶない刑事」(2016)でも還暦過ぎたお二人の猛ダッシュが見られて、感激!

ほかの見どころもご紹介。一つは、街ロケ。「映画で町おこし」なんてのもよく聞く一方で、パリが出てもロンドンが出ても何とも思わないのではないか。いやいや、パリにはセーヌ川、ロンドンにはテムズ川があって、橋がある、観光名所がある、カフェがある。チェイスにはぴったりの環境。特にパリでは、放射状の街並みでオートバイのチェイスがあり、こっちからも責められた、次もダメ、とどんどん追い込まれていく様子が画面から伝わってくる。

脇役も素晴らしかった。アンジェラ・バセットがCIA長官として登場。アンジェラと言えば、「マルコムX」(1992)で演じた妻ベティ・シャバズ役が印象的で、可憐かつ芯のある女性のイメージ。今回の役は随分貫禄あり、図太さも含めて好演。

以下、少し残念だったところ。

▼アジアのプレゼンスが弱い。謎の男はアジア系だが、セリフがなくすぐに殺されてしまった。

▼日本語字幕。戸田奈津子先生はトム・クルーズが絶大な信頼をおく字幕翻訳者だが、御歳のせいか、現代の日本語感覚から少し離れる。一つ覚えているのは、「足を洗う」―――書き言葉としてありだが、登場人物の会話テンポとなじまなかった。

▼2時間半。なぜ?

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です