巻き込まれながら、主人公を応援する『パプリカ』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
本日は、『パプリカ』(2006)4Kリマスター版上映に行ってきました。今敏監督のことは知っていましたが、監督がすでに他界していたことすら知りませんでした。
『パプリカ』へのひと言
女性は消費されるし、ヒーローにもなる。
2006年の作品ですから、まだまだ日本の「アイドル」文化も健在で、モーニング娘。が全盛期だったかと思います。正直、セクシーな成人女性よりは、高校生寄りの少女的女性ですよね。
その中で、主人公である赤毛のパプリカは、森高千里さんみたいにも見えるし、ナウシカみたいにも見える。女性が見て、「ちょっと嫌」と感じないギリギリのところで踏みとどまっています。
でもそれだけじゃなくて、悪に立ち向かうたくましい孫悟空のようなヒーローにもなる、基本ジーンズ(スラックス)姿で、自分の意思で動き、リードし、媚びず、助ける。「かっこいい女性」でもあります。
この、100%正義の味方でもなく、100%消費されてもいない立ち位置が不安定ゆえに、絶妙。
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観客はパプリカに恋をします。軽やかで、自由で、導く存在。「清らかな聖女」でも
守られるヒロインでもない彼女の、理解不能なところに、半分同化しながら見進めます。
最初の3分でぶっとばされる
ハリウッド映画の公式としては、航空撮影で、物語が展開する場所までカメラが1〜2分かけて移動します。
『パプリカ』は、最初の3分でぶっ込んできます。こちらの理解力や常識を軽く飛び越えてくる感じがあります。え、え、ええええっーーー?
内容はあまり語りませんが、夢と現実の境界は破壊されます。人の脳内に入り込むという本来できない、そしてやってはいけないことに、引き摺り込まれます。
そして、それは悪夢。あの悪夢を見たら、相当しんどいと思う。疲れている時、そのような夢を見ることもあろうかと思うが、とにかく質量が多く、騒がしく、展開が目まぐるしい。
作品を見終わった時、少し疲れを感じる。いやな夢を見た時と、同じような疲れ。すぐ感想をを話したりできないような、身体感覚の残り方がある。
2006年そしてソニー
本作は秀逸ゆえに4Kリマスターされたということもあるが、2006年という事実に、改めて驚きます。折りたたむ携帯電話が出てきた頃だと思いますが、劇中では夢や無意識を扱い、権力やセクシャリティを扱い、テクノロジーが人を蝕む感じもあり、今から20年前にこれを生み出せたことが、ただただすごい。
筒井康隆さんの原作がすごい、とも言えるでしょう。
ソニー・エンターテインメントさんが試みたように、子ども向けではなく「大人のアニメ」を海外に出していく、というタイミングでしたね。
過度に欧州・北米のオーディエンスを意識することもなく、日本人形とかマジ怖く、見慣れた招き猫もダルマも怖い。その狂気と美しさがシネフィルの心をゆすぶったと思います。マッドハウスらしく、マッドです!
公開当時見られませんでしたが、20年を経てこの作品に出会えたこと、感謝します。
そして最後に。「続きはどうするんだよ!?」
今日はこの辺で。