松たか子の業界歴が物を言う、『ファーストキス 1ST KISS』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
『ファーストキス 1ST KISS』を観てきました。休日で、日比谷でもほぼ満員。
なぜ観たかと言えば、坂元裕二さん脚本だからですね。松たか子さんも大好きです。塚原あゆ子監督作品です。
『ファーストキス 1ST KISS』へのひと言
『はな恋』と同じ空気感、でも松たか子にしかできないことがある。
作品は、命(生と死)を扱っていながら、全体的に陽だまりのような、温かい空気感に溢れています。恋愛のふわふわ、そわそわ、キュンキュン、全部入っています。カップルの倦怠期も入っています。
『花束みたいな恋をした』は2人が出会ってさまざまな感情を体験、共有する物語、一方で『ファーストキス 1ST KISS』は、「過去」と「タイムトラベル」の要素が入ってきます。現在の主人公が、過去に旅をする、というよくある話。
でも観客は、どんどん引き込まれてしまいます。映画としては普遍のテーマですね。
このタイムトラベルの原則として、過去の自分と鉢合わせてはいけない、というのがありますが、松たか子が出くわすのが、昔の松たか子です。映画の設定だと、45歳の松たか子が、30歳の松たか子を目にします。
たまに30歳の松たか子さんを目にするのですが、これはCGIの賜物!若造りでも決してここまで辿り着けません。ほお骨が出ていて、顎がシュッとしていて、あぁ、若い松たか子さん!
彼女と同世代を生きてきた観客は、30代の松たか子も40代の松たか子も、なんなら20代の松たか子も知っています。試しに「ヤマザキ 春のパン祭り」を検索してみて下さい、もう松たか子さんオンパレード!
繰り返しますが、この映画が松たか子さんにしかできないのは、若かりし頃の松たか子さんを映像に読み込ませるだけのデータが存在していたということなのです。これに近い話では、ハリソン・フォードが『インディ・ジョーンズ』最新作で、若き頃のインディとして蘇ったシーンがありました。
遅咲きの40代俳優さんが20代を演じても、観客はその頃を知らない。20代俳優さんが40代の役をやっても絵空事になる。結局リアリティがないわけで、中途半端です。
その意味で、松たか子さんにしかできない作品に仕上がりました。もしかしたら、ゴーストストーリーかな?と思ったので、主人公は過去を旅するごとにやつれて行くんじゃないかと思いましたが、そうではなかったようです。
実際には、やはり歳の差は感じますね。でも松さんかわいい。

松村北斗さんも、ひょうひょうとしているキャラで、素晴らしかったです。未来から来た妻に恋をするって、女性には嬉しいことですね。
映画業界もCGI祭りみたいになっている今日この頃。素晴らしい脚本とセットで観たいものです。
今日はこの辺で。