高コストなラブコメ『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!

アバウト・ライフ 幸せの選択肢』(2023)を観ようと決めた理由? キャストがすごかったからです。特に、ダイアン・キートンを久しぶりに見たいなと思いましたし、リチャード・ギアもしかり。マイケル・ジェイコブス監督です。

https://twitter.com/NameisSoni/status/1645419014049665026/photo/1

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』へのひと言

コストのかかる笑い。

本作の現代は「Maybe I Do」と言います。そう、結婚の誓いを立てるときに言う「I do」に、多分の「Maybe」がついたんですね。

あらすじにもあるので説明すると、AさんとBさん夫婦、CさんとDさん夫婦には、それぞれEさんとFさんがおり、結婚間近です。ここまでは、EさんとFさんを主人公としたたよくあるストーリーですが、AさんとDさん、BさんとCさんがそれぞれ婚外関係にあるというまさかの設定。

2024年3月18日現在の年齢付きで、このような配役。役としては60代を演じているので、皆さん実年齢は少しシニアですね。

Aさん:リチャード・ギア(74歳)
Bさん:ダイアン・キートン(74歳)
Cさん:ウィリアム・H・メイシー(78歳)
Dさん:スーザン・サランドン(77歳)

この、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんが鉢合わせるところが楽しいのです。特にスーザン・サランドンがリチャード・ギアを目力で追い込んでいくようなシーンは、サランドンのキャラそのもので、さすが!と思わせてくれます。

そしてダイアン・キートンは、『アニー・ホール』の時と同じように、メンズライクの大きめコートやパンツ姿が似合うし、ウィリアム・H・メイシーは、デフォルトが「迷っている」お顔なので、何か思い詰めている感じ。正直、4人の中で“美男子”のリチャード・ギアが一番キャラが薄いかと。

しかしながら、全員が主役級スターですから、まあまあ気遣いも必要な現場だったのでは。主役が4人いる作品ってあまりないですからね。ウィリアム・H・メイシーを名脇役として外したとしても、3人です。日本で言えば団塊世代ですから、こういったスターを見て育った自分たちがいるわけで、懐かしい気持ちになります。

Eさん:エマ・ロバーツ(33歳)
Fさん:ルーク・ブレイシー(34歳)

この二人も、作品にぴったりでした。エマ・ロバーツは小柄(Wikipediaでは157cmとのこと)で、”All-American beauty”を体現したブロンドの白人女性。若くて意志が強く、貞操観念があり、親を大事にする、アメリカ人がいかにも好みそうな人物です。そしてルーク・ブレイシーはオーストラリア出身ですが、役どころとしては結婚に踏み切れない優柔不断さや、大人気ない行動を、よく演じていました。

配役がすばらしい映画だったと言えるでしょう。

汎用性の高いテーマ

本作は、結婚をテーマにしていますから、結婚数十年を経た熟年カップルにも、これから結婚する若いカップルにも、投影できる思いがあります。そして、他人に心惹かれることがあったり、結婚に対してちょっぴり後悔したり、残りの人生について思い悩むのも、誰もが経験すること。

一方で、この映画が1980年代でも成立したのではと思えるくらいに、今のハリウッドのダイバーシティからは遠かったことも。ウエディングのゲストには黒人もアジア人もいましたが、そこだけやや浮いている感じでした。

多くの方の評点と同じく、5点満点だと3と4の間くらいでしたが、最後はほっこりできる作品で、俳優たちの元気な姿が見られてよかったです!

Junko

1973年静岡生まれ、星読み☆映画ライター。アメリカ留学経験者、異文化交流実践者、広報コンサルタント。

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