一方通行の会話、『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
河合優実さんが出ているから、観てみようと思った『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(2024)。「ジャルジャル」の福徳秀介さんが発表した小説の映画化で、大九明子監督作品です。
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』へのひと言
モノローグの多さが、恋愛ぽい。
この映画、モノローグ(独り言)がとにかく多いんです。
コミュニケーションはキャッチボールと言われますよね。ただ、学生時代の恋愛はまだ恋というか、恋する自分に恋している段階なので、相手は正直関係ない。とにかく一方通行な伝え方です。だからこそ、勘違いも多発します。
また、音の使い方がユニークで、心のドキドキや雨音などが、会話と同じレベルで聞こえる感じ。これも思春期、青年期に特徴的な、整理されていないごちゃごちゃを感じました。
二人で水族館に出かけるシーンは、何とも象徴的です。ブルーの照明に囲まれて、非日常の空間で、クラゲが浮遊。二人の心のフワフワを見るかのようです。ここでも、かなりモノローグ的な会話が展開されます。
物語は、起承転結の「結」の部分で明かされる事実があります。想像はできたのかもしれませんが、正直「そう来たか〜!」と。恋愛映画だけに終わらないツイストを感じました。
河合優実さんに百恵ちゃんを見た
そして、河合優実さん!
実は『ナミビアの砂漠』がロングランだった時、ちょっと警戒して観にいかなかったので、スクリーンで見るのは初めて。やや三白眼的な目力に、山口百恵さんを思い出しました。目ですべて語れるのは、俳優としてプラスです。
スカーフがくっ付いたような特徴あるブラウス、おだんご頭も相まって、少し近づき難くて個性的な感じがよく出ていました。
もう一人の主演、萩原利久さんもすごくよくて、前髪全下ろし、日傘を差して、少しキモキャラを好演しています。背が高くてスッとしているけれど、垢抜けていなくて痛い。実際にいそうな感じがいいです。
このでこぼこな二人が展開する恋愛ごっこは、瑞々しくて実に可愛かった。さっちゃんを演じた伊東蒼さんは、歌がうまくてびっくりした。
地味だけど、どハマりする人がじわじわ増えそうな作品。
今日はこの辺で。