ニューヨークは負のスパイラル──『ラッキー・ルー』
こんにちは、星読み☆映画ライターのJunkoです!
『ラッキー・ルー』(ロイド・リー・チョイ監督、2025)、チャン・チェン好きで東京フィルメックスに観に行った方、多かったのでは?
ちょうど金馬奨(ゴールデン・ホース・アワード)を受賞したことでも話題になりました。
『ラッキー・ルー』へのひと言
救いなし!
本作は103分、2時間を切っていることは開始から分かっていましたが、30分で全てを失う展開です。よって、残りの1時間余、どうするのと言いたくなる。
そのくらい、サバイバルな環境です。
そもそもここは、誰もが憧れるニューヨーク。なのにストリートも汚く、アパートもしょぼい…。凍りつく寒さの中、自転車でデリバリーする主人公ルーは、明らかに都市の負の部分にいる人です。
お仕事のウーバーは、自転車とスマホと体力があればとりあえず配達はできます。ニューヨーク・シティという、碁盤の目の街を、シャーッと直線移動する感じはなかなか爽快。しかし、外に自転車を停めておくことすら安全とは言えません。
お給料も元締めがピンハネした残りをもらう形らしく、そうまでしてでもこの地に残らなければいけない事由が伝わってきます。
どこまで行っても負けの連続、失うばかりで、観客は同情の気持ちばかり。そして、だんだん「逆転劇を狙う気持ち」が分かるようになってきます。ワンチャン行けるのでは、というか行けないと厳しいのでは、と一緒にやぶれかぶれになっていきます。
商売道具である自転車がなければ、配達はできませんし、徒歩で移動できる距離ではありません。最終的に自転車がどうなるか、お楽しみにご覧ください。
チャンチェンお父さん!
今年は、レオナルド・ディカプリオの父親役(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)に感無量であったが、これはチャン・チェンも同じ。
同世代のチャン・チェン、現在49歳だそうですが、劇中のルー役はおそらく30代。いいお父さんっぷりが想像できる演技でした。
ラストシーンは、少し『ブエノスアイレス』(1997)を思い出させるものでした。そう、若いチャン・チェンのディアスポラ(故郷を離れて暮らす人)ぶりが印象的でした。
そして、エンドロールを見ていたら、え、フォレスト・ウィテカー?(Forest Whitaker)私のオールタイム・ベスト10に入る『スモーク』(1995)に出演した俳優さんなので、もちろん覚えていました。今回はエグゼクティブ・プロデューサーなんですね。2022年にカンヌ映画祭で「名誉パルムドール賞」を受賞など、まだまだ注目していたい方です。
今日はこの辺で!